官能のBMW・5シリーズ
一方の5シリーズはどうか。XFのV6とは異なり、ストレート6の官能的なエンジンが印象的だ。シャシー性能も魅力的だが、それを上回るほどエキサイティングなエンジンフィールはドライバーを感動させる。5シリーズを手に入れるならぜひ直6を選びたいところだ。高速走行の乗り心地もダンピングが効いた感じで、舵の効きもダイレクト感があって非常にフラットだ。130km/hぐらいの速度で緩いRの走行時にスロットルをちょっと戻して前輪荷重にすると、スーッとリアがリバースする挙動がある。ゆっくりと操舵しているので、DSCは介入しない。その先で、リアがオーバーステアになっても、挙動変化がゆっくりなので操作しやすい。安定性よりも操縦性がBMWの武器なのだ。
この官能的なエンジンとシャープなハンドリングは想定内。逆に良くない新発見はウェットグリップがやや足りないタイヤを履いていたこと。見ればタイヤはメルセデスと共通の製品。その証拠として、タイヤにはBMWの☆(星)マークとメルセデス承認マークであるMOの文字が刻まれている。
排ガスと燃費規制、騒音規制などますまず厳しくなる環境規制を前にして、実はBMWとメルセデスは、ランフラットタイヤの共通化を進めている。もちろんそれは悪いことではないが、タイヤのウェット性能が犠牲になっていることに不安を感じてしまう。
タイヤの共通化の先にあるのは、シャシーやプラットフォームの共通化、あるいはその先に内燃エンジンの共通化もありうる。EVや自動運転、あるいはライドシェアが次世代モビリティだとするなら、伝統的なメーカーはどうサバイバルしていくのだろうか。
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