仮想対決! 上陸を待てないアナタに捧げる、永遠のライバル対決をどこよりも早く「BMW5シリーズ vs メルセデス・ベンツ・ニューEクラス」

Eクラスと5シリーズはともに2023年にフルモデルチェンジを果たしているのは既報の通り。ぜひとも直接比較を試みたいところではあるが、日本上陸を果たしたのは新型5シリーズのみ。というわけで今回は、両モデルのステアリングを握った島下氏に、仮想対決という形でご執筆いただいた。

比較が困難なキャラクターの違い

メルセデス・ベンツEクラスと、BMW5シリーズという世界のミディアムサイズセダンの2大ビッグネームが、2023年に相次いで新型に切り替わった。日本には、すでに5シリーズは上陸済み、Eクラスもまもなく導入となる。

MERCEDES-BENZ NEW E200/二分割されたヘッドライトおよびスリーポインテッドスターをモチーフとしたテールライトを初採用。

長年に渡って熾烈な争いを繰り広げてきたこの2台のドイツ製セダンを取り巻く状況は、ここに来て大きく変化している。引き金は電動化という大波である。

内燃エンジン時代から電動化の、アナログとデジタルの橋渡しとなる存在と標榜するのが新型Eクラスだ。ラインナップはすべてMHEVもしくはPHEVに。BEVは用意されないが、きっと次の世代ではEQEと統合されることになるのだろう。

MERCEDES-BENZ NEW E200/現状で発表されているパワートレインはすべて2L直4となるマイルドハイブリッドのE200、E220d、PHEVのE300eとなる。

インテリアには3枚のディスプレイを組み合わせた大面積のMBUXスーパースクリーンを装備。最新のソフトウェアプラットフォーム「MB.OS」を先行導入しており、「ハイ、メルセデス」と呼びかけなくても普通に話しかければ音声認識が起動し、OTAで供給される様々なアプリに対応。TikTokが標準搭載され、車載セルフィーカメラでオンライン会議もできるといった具合である。

MERCEDES-BENZ NEW E200/インテリアのデザインにはEQシリーズの流れを踏襲し、ダッシュボードやドアパネルはメリハリのあるフローティング形状を採用。

しかしながら新型Eクラスでもっとも驚くべきは、その走りだ。静粛性はきわめて高く、パワートレインを問わず室内は静寂。ロードノイズもまるで気にならない。
サスペンションはゆったりとストロークしつつ、速度を上げるほどにフラット感を高めていく。リアアクスルステアリングのおかげで、曲がるのだって楽しい。
運転支援装備も制御は巧みで、加減速もライントレースもきわめて滑らか。自らステアリングを握るのも、クルマに委ねてゆったり行くのも、とにかく気持ちが良い。

BMW 523i EXCLUCIVE/2L直4のガソリン&ディーゼルモデルに加えてBEVのi5も同時にリリース。

橋渡しと言っても中途半端な存在ではなく、今できることすべてを出し切ってこそ未来へと繋がる。新型Eクラスは、メルセデス・ベンツのそんな決意を意識させる至極の1台だと言えそうだ。
一方の5シリーズは、よりドラスティックに時代の要請に応えている。MHEV化されたガソリン/ディーゼルの内燃エンジン搭載車と、BEVのi5の両方を設定しているのだ。
2枚の湾曲モニターを組み合わせたBMWカーブドディスプレイや、イルミネーションとして以外にも様々な情報伝達にも役立つインタラクティブバーなどによって、こちらもインテリアは先進感が強調されている。まさかBMWが「車内でゲームが楽しめる」なんて宣伝する日が来るとは思わなかったが、充電などで車内で過ごす時間が伸びていることを考えれば、納得できないわけではない。

BMW 523i EXCLUCIVE

i5の走りは、BEVらしく静かで滑らかで力強い。BMWに期待するクルマとの密なコンタクト感は薄めだが、それがまた未来感に繋がっている感もある。
ところが523iに乗って、キャラクターの大きく異なるその軽やかで精緻な走りに仰け反った。思い出したのは2世代前のF10。BEV化のための軽量・高剛性設計が、素のモデルの走りの質の向上にも繋がったというわけだ。
パワートレイン問わずのトータルでの評価ならばEクラスを選ぶが、523iの走りを一度味わうと5シリーズの魅力も抗し難い。正直、比較は困難だ。走りやデザインのキャラクターだけでなく、クルマづくりの方向性まで今までにないほどの差が生まれた。新型Eクラスと新型5シリーズの関係性は、そんな風に説明できる。
一方、両車に共通しているのはセダンこそがブランドの基軸なのだという強い自負を感じさせるところである。いずれも、この完成度だけに、結局はこの2台が世界のセダンを牽引する存在であり続けることは間違いなさそうだ。

BMW 523i EXCLUCIVE/Cピラー下部にあるエンボス加工された数字の5、キドニーグリルには夜間走行時にライトアップするアイコニックグローを標準装備。コクピットには先進のBMWカーブドディスプレイ、室内空間をアーティスティックに演出するBMWインタラクションバーも備わる。

【SPECIFICATION】MERCEDES-BENZ NEW E200
■全長×全幅×全高=4949×1880×1468mm
■ホイールベース=2961mm
■車両重量=1825kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1999cc
■最高出力=204ps(150kw)/5800rpm
■最大トルク=320Nm(32.6kg-m)/1600-4000rpm
■トランスミッション=9速AT
■サスペンション=前:4リンク、後:マルチリンク
■ブレーキ=前:Vディスク、後:ディスク
■タイヤサイズ=前後:225/60R17
※スペックは欧州値です
問い合わせ先=メルセデス・ベンツ日本 TEL0120-190-610

【SPECIFICATION】BMW 523i EXCLUCIVE
■車両本体価格(税込)=7,980,000円
■全長×全幅×全高=5060×1900×1515mm
■ホイールベース=2995mm
■車両重量=1760kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1998cc
■最高出力=190ps(140kw)/5000rpm
■最大トルク=310Nm(31.6kg-m)/1500-4000rpm
■トランスミッション=8速AT
■サスペンション=前:Wウイッシュボーン、後:マルチリンク
■ブレーキ=前後:Vディスク
■タイヤサイズ(F:R)=225/55R18:225/55R18
問い合わせ先=BMWジャパン TEL0120-269-437

フォト=郡 大二郎 ルボラン2024年2月号より転載

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島下泰久
AUTHOR
2024/02/05 17:30

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