いよいよ完成、文句ナシのトランザムが姿を現す!アオシマ製プラモ「ナイト2000」をノーマル戻し!第6回【CARSMEET モデルカー倶楽部】

全ての画像を見る

10年以上の間に行われた変更は数多く…

アオシマ製プラモデルのナイト2000から、そのベースとなった1982年型ポンティアック・ファイアーバード・トランザムを制作してみようという連載、第6回である。

【画像38枚】ついに形になっていくファイアーバード・トランザムを見る!

今回はボディの磨き出しから組み立てまでということで、これについては画像とキャプションをご確認いただくこととし、ここでは実車ファイアーバードの変遷について、大まかながら触れていこう。まず、最初の年式である1982年型についてはここまでの回で詳述したのでそれを参照していただきたい。

2年目である1983年型ではV6 173-cid(2.8L)エンジンにHO(High Output=高出力)仕様が加わっているが、それ以上に大きな話題となったのが、この年のデイトナ500のペースメーカーにトランザムが選ばれたことである。これを記念してペースカー・エディションが発売され、人気を呼んだ。このモデルは、ホワイトとダークグレーのツートンのボディや、ホワイトのホイール、ボディ各部のマーキングなど、ペースカー同様の外観となっている。

1984年型では、やはり特別エディションとして15周年記念モデルが登場。これはホワイトのボディにブルーのグラフィックをあしらい、専用ホイールを装着するなどしたモデルであった。また、305-cidのV8にも190hpのHO仕様が加わっている。

比較的大きな外観の変更が行なわれたのは1985年型でのこと。フロントバンパーから大きなグリルが廃されプロテクタモールが付くかたちとなり、トランザムではこのモールは付かずにフォグランプを配した専用形状を採用しているが、どちらも左右2分割というポンティアックのアイデンティティは継承されている。ボンネットからはバルジがなくなり小さなインテークが設けられた。また、V6エンジンは173-cidの2バレルキャブ仕様から、171-cid(2.8L)のインジェクション付きへと変更されている。

1986年型での変更は小さく、ベースモデルのテールランプからカバーが外され、各色のレンズが露出した形となった。続いて1987年型での最大の話題は、トランザムGTAの登場であろう。これはトランザムの上位モデルとして導入されたもので、210hpの350-cidエンジンを搭載、ゴールドのダイアモンドスポーク・アルミホイール、WS6と呼ばれるハンドリング・パッケージなどを装備していた。

このほか、この年はそれまでのファイアーバードS/Eに代わりファイアーバード・フォーミュラが加わった。先代にあったモデル名が復活したかたちだが、スポーツ性が重視されており、前述のWS6パッケージや、350エンジンも搭載可能だった。この年はさらにコンバーチブルも発売されたのだが、これは小規模コーチビルダー各社が以前から製造していたコンバーチブルのうち、ASCという会社が手掛けていたものを、ポンティアックの正規ディーラーでも取り扱うようになったものである。また、4気筒エンジンはこの年廃止となった。

ノッチバック、ターボ・トランザム、ファイアーホークの登場
翌1988年型では、トランザムGTAに新たなボディ形状としてノッチバックが追加された。これはその名の通りボディ形状をファストバックからノッチバックへと変更したものであるが、より正確にはグラスハッチの代わりにFRP製のリアハッチを装着、リアウィンドウは垂直に近い角度で細長いものが取り付けられている。

続く1989年型では、トランザムがインディ500のペースカーに選ばれた。このペースカーはビュイック製のV6 231-cid(3.8L)ターボエンジンを搭載していたのだが、例によってこれを再現したペースカー・エディションが、同様にターボエンジンを載せて発売。ホワイトのボディにゴールドのメッシュホイールが特徴である。なお、このエンジンは公称250hpであったが、実際にはもっとパワーがあったとも言われる。

1990年型ではV6エンジンが191-cid(3.1L)へとチェンジ。続いて1991年型ではフロントバンパーの形状が大きく変更され、強く丸みを帯びた形となったが、これは1988年に発表されたコンセプトカー、ポンティアック・バンシーのそれをモチーフにしたものだという。

ここまで来ると三代目ファイアーバードも末期だが、そこで最大のトピックが、1991年型で加えられたファイアーホークである。これはフォーミュラをベースにハードなチューンを施したもので、コルベットZR-1同等のパフォーマンスをより安価に提供する、というのがコンセプトであった。このファイアーホークへのチューニングはSLP(ストリート・リーガル・パフォーマンス)という会社が行ない、これをポンティアックの正規ディーラーで販売するというスキーム。350エンジンは350hpにまでパワーアップされ、6速ミッションなどを具える本気のモデルだった。

続く1992年型での変更にさほど大きなものはなく、そしてこれが三代目ファイアーバードの最後の年となった。1993年型で、やはりシボレー・カマロとともにフルモデルチェンジを行い、四代目へと進化している。……といったところで、この連載も次回が最終回。完成した作品の姿をしっかりとお見せしよう。

作例制作・写真:北澤志朗

注目の記事

「ル・ボランCARSMEET」 公式SNS
フォローして最新情報をゲット!