ハイ、リポート最終回です
チャオチャオチャオー!
「目指せWRC!」現地ナマ出しリポート、第3回にして最終回(第1回/第2回)。専門的すぎて書いてもきっと誰もわからないこととか、アバルト124ラリーのかなりのヲタク以外喜んでくれそうにないことだとかが多くて……ここで区切りにしときましょ。
さて、今回のテストには、日本からの応援団のほかにも、重要な人物達が姿を見せていたのでした。
眞貝さんの隣は今回のリポートに何度かお名前が登場してる、マニュエルさん。その隣はアバルトの124ラリーの競技部門の責任者、マルコさん。そして背の高いコワモテは、ベルニーニ・ラリー・チームのボスである、ミケーレさん。マルコさんもミケーレさんも、ラリーの本番のときには当然ながら現場にいらっしゃるわけだけど、どちらも多忙を極めてる方なので、ちょっとしたテストなんぞには足を運んだりすることがなかなかできません。そのふたりが勢揃い。しかも眞貝さんの走りを真剣な面持ちでジッと眺めています。これはmCrtと眞貝さんのテストであると同時に、眞貝知志というドライバーを見極めるためのアバルトとベルニーニ・チームによるテストでもあったわけですね。
彼らを含めたチーム&アバルト関係者にサラッと訊ねてみたところ、眞貝さんのドライバーとしての評価はかなり高いようでした。速さ、マシンコントロール、そして順応性。昨年のちょっとしたテストではトラクションコントロールを最も強く効かせた状態での走行でしたが、今回は自由に切り替えることも許されたし、「アンチラグ・システム(ミスファイアリング・システム)」をONにしてニュータイヤを履かせて、という最もクルマがパフォーマンスを発揮できる状態でのテストも行われました。信頼感と期待感がなければ、これはあり得ません。それどころか、「このクルマはポンと乗っていきなり速く走るのは難しい。なのにここまで乗れてるのだから、次は1週間とか10日間ほどイタリアに滞在して、もう少しクルマに慣れて特性をマスターして、実戦を走ってみるのはどうだ? その気があるならシートを確保するぞ」と誘われるほど。彼らが眞貝知志というドライバーをしっかりと認めた証、ですね。
対する眞貝さんは、乗って何かを理解すれば理解しただけ課題が見つかるクルマであるようで、その過程を楽しみながら、真剣にトライをしていたようです。「とにかくトルクがあって、少しでもアクセルを踏み過ぎると簡単にリアのグリップを失っちゃう。タイヤの減り方が4輪均等なのでバランスはいいんだろうと思うんですけど、かなりシビアですよ。乗りこなせてたとは思っていません。モンスターでした」。眞貝さんによるこのマシンのドライビングインプレッションはこのリポートと別にどこかで展開するので、ここでは簡単なコメントを残しておくに留めますが、速かったし綺麗にコントロールしてるように見えていた裏側で、課題を見つけては潰し、潰しては見つけ……だったのかも知れませんね。
さてさて、mCrtと眞貝選手は、すでにお伝えした通りアバルトでのWRC参戦を目指して活動していきます。それがいつ、どんなカタチでということになるのか、それは確定していませんが、何か具体的な動きがあったら再びこちらでお伝えしますね。
最後の最後に、1本だけ撮った走行の動画があるので、御覧いただきましょう。微かにカウンターステアを当てながらのコーナリング、カッコイイっす。ホントはもっと迫力たっぷりのシーンがあったり、もっと速かったりもしたり……なのだけど、そういうときに限って撮ってないんですよねぇ……何せホントに暑かったんで……。
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