セダンとの大きな違いはアクティブ・スタビライザー
メルセデス・ベンツは、BEV専用のプラットフォームを使ったEQSとEQE、そしてそれらのSUVの計4台を登場させた。このうち、EQS SUVはマイバッハ版がお披露目されたもののAMG版はなく、EQA/EQB/EQCもまたしかり。つまりEQE 53 SUVはAMG史上初のBEVのSUVということになる。
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そうはいっても、パワートレインやサスペンションは基本的にセダンのEQE 53と同一である。626ps/950Nm(“AMGダイナミックプラスパッケージ”のオプションを装着すると687ps/1000Nm)のパワースペックも90.6kWhのバッテリー容量にも変更はない。航続距離は407-455kmと公表されている。
セダンのEQE53と比較してもっとも大きな違いは、前後にアクティブ・スタビライザーを標準装備する点にある。背が高いSUVは当然のことながらセダンよりも重心が上がり、バネ上がロール方向に動きやすくなる。エアサスを備えているので、バネレートを上げれば抑え込めるが乗り心地が悪くなる。そこで、乗り心地への悪影響が少ないアクティブ・スタビライザーの採用となった。
アグレッシブさよりむしろ乗り心地を重視
この効果もあって、バネ上の動きは旋回中のロール方向のみならず、加減速時のピッチ方向の動きも上手に抑えられているが、乗り心地にAMG特有の芯のある硬さみたいなものはほとんど感じられない。ハンドリングはノーマルのEQE SUVよりも特にステアリングレスポンスが向上しているが、後輪操舵や4マチック+などの統合制御による接地感の高さに大きな変化はない。
626psの最高出力はドライブモードによって最大値が制限される。「スリッパリー」では50%、「コンフォート」では80%、「スポーツ」では90%、そして「スポーツ+」でようやく100%となる。したがって、公道を普通に走るような場面では、動力性能においてノーマルよりも明らかにパワフルという感じはしない。687psは、ダイナミックプラスパッケージを装着して、いわゆるローンチコントロールとブースト機能を使うと瞬間的に発生する数値となる。
ノーマルのSクラスとS63の味付けの差と比べると、こちらはそれほどの差を感じられなかった。
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