自宅で楽しむ911選びは十人十色。カーコンフィギュレーターで自分好みの1台を作ってみる!

Custom 6/991型でもターボの走りは憧れだ

ポルシェ911ターボは、私にとって特別なポルシェなのである。その訳を解き明かそうと思う。
初めてターボと真剣に付き合ったのは、ニュルブルクリンクで某タイヤメーカーのポルシェ承認タイヤのテストのときだった。困ったことに、4速ギアボックスの930ターボのペダル配置が悪くて、間抜けの小足の自分には、ヒール&トゥができなかった。そこで、かまぼこ板のような木材を使って、アクセルペダルに貼り付けて走ったことがあった。この930ターボが発生する低速トルクの大きさに驚くものの、ドッカンパワーの使いにくさには苦労した。
ちなみに、ポルシェは1970年代のルマン24時間レースで活躍したポルシェ917にはフラット6の12気筒が搭載されていたが、市販車の911にはリアにはフラット6の6気筒を搭載していた。しかし、特別に速い911を作るにはどうしても、ターボで武装する必要があった。過給圧1バールは2倍の排気量と同じ空気を吸うことができるので、その結果、大排気量と同じ大出力を得ることができたのだ。その意味ではポルシェにとってターボはレースで戦う偉大な武器だったのだ。
さて、エンジンのレイアウトと駆動方式を考えるとき、RR(リアエンジン・リアドライブ)というエンジンレイアウトは、戦前から使われてきている。ワーゲンビートルしかり、日本の初代軽自動車しかり、自動車の歴史を見るとRRは庶民が乗るコンパクトカーの定番だった。その理由は全長を長くしないでキャビンを広くするパッケージのためだ。近年のFFレイアウト(フロントエンジン・フロントドライブ)が実用化するまでは、RRが主流だったのだ。
そしてポルシェはワーゲンビートルから受け継がれたRRを進化させ、356を経て911というRRのスポーツカーにたどり着いた。たどり着くと書いたのは、この911こそが、究極のスポーツカー&GTカーだと筆者は信じて疑わないからだ。
しかし、911が採用するRRには決定的な制約がつきまとう。新型コロナウイルス問題で三密が「悪者」扱いされているが、自動車のパッケージでは、エンジンやギアボックスやデフはコンパクトにまとめて、駆動アクスル近くにレイアウトするのが都合がよい。いわゆる三密は「善」なのだ。
911の場合はリアアクスル上にデフが配置され、後ろに向かってギアボックスとエンジンが搭載される。非常に狭いスペースにパワートレインを密にレイアウトするので、エンジンはコンパクトに背を低く搭載したい。そのためには水平対向エンジンはスポーツカーを探求するポルシェにとって理想的なエンジンなのである。それ故に、911のエンジンは6気筒がベースとなっている。さらに出力と燃費を両立するにはターボは欠かせない技術なのだ。
ル・ボラン本誌でテストしたDSTでは、991型ポルシェターボと992型のカレラSと比較したことがあったが、モデル的には一世代古い991型のポルシェターボはやはり秀逸な走りを持っていた。997型ポルシェターボから採用したヴァリアブルジオメトリーターボを使い、低速から粘り、スロットルレスポンスは昔の930ターボのドッカンパワーは影も形も存在しない。
コロナの影響がなければ、最新の992型ポルシェターボの国際試乗会に参加する予定だったが、その願いは叶わなかった。だが、991型でも、ポルシェターボの走りは憧れだ。最新が最良と言われるが、最良の一歩手前を手にするのもいいだろう。あのニュルで味わった930ターボの走りを思い浮かべながら、技術の進化を味わいたい。

■Name/清水和夫
■Age/66歳
■Model/911ターボSカブリオレ
■TOTAL/31,800,000円
■Body Color/GTシルバーメタリック
■Roof/ブラック
■Interior/ブラック/ボルドーレッド
■基本価格 31,800,000円
■オプション総額 0円
【Option List】
・エクステリアカラー(GTシルバーメタリック)/0円
・幌(ブラック)/0円
・インテリアカラー(ツートーンレザー、ブラック/ボルドーレッド)/0円
・20/21インチ911 Turbo Exclusiveデザインホイール/0円
・電動アダプティブスポーツシート/0円
・8速ポルシェ ドッペルクップルング(PDK)/0円

ルボラン2020年7月号より転載

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2020/07/07 11:00

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