キャデラック CT6のエンジンとギアボックスのマッチングの良さに舌を巻く一方で、クアトロポルテはやや時代遅れ!?【清水和夫のDST】#83-2/4

CT6のエンジンとギアボックスのマッチングの良さには舌を巻くものがある

MASERATI QUATTROPORTE S
●加速:0.49G(★★★★)
●減速:1.11G(★★★★☆)
マセラティの第一印象は昔の古いクルマに乗っている感じだった。しかし、エンジンに火を入れたときの感動は言葉にならない。「エンジンです!」という主張が感じられたのだ。だが、ATとのマッチングはもう一歩だ。出だしのダッシュではFRなのでトラクションコントロールが作動し、エンジンパワーを制限している。このセグメントの高級車は今やAWDがマストかもしれない。ボディとパワートレインのやや時代遅れ的なところが残念だが、エンジン音はとにかく気持ちいい。ブレーキはそこそこ効くが、ペダルが奥にスッと入ってしまい、スポンジーな印象を受けた。2回目はややフェード気味だった。

CADIILAC CT6
●加速:0.38G(★★★☆)
●減速:1.02G(★★★★)
全長5m超えるフルサイズサルーンの重量は約2トン。このボディにV6自然吸気エンジンでは物足りないだろう。だが、テストしてみると、ATとのマッチングも良好で心地よく走ることができる。絶対的な速さではターボに敵わないが、控えめなキャラクターとして受け入れることができそうだ。気になったのは実際にスロットルを踏みこんだときに、加速Gの立ち上がりがおっとりとしていること。セッカチな人には向かないだろう。一方、ブレーキはすごく良い。ペダルを踏み込んだときのストッピングパワーがリニアで使いやすい。さらにABSも正確に機能し、音や振動も少なかった。

 

 

リポート:清水和夫 フォト:篠原晃一 ル・ボラン 2017年9月号より転載

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