最後のFRカローラをベースにした白黒PC
トヨタを、いや日本を代表する大衆車、カローラ。その存在はもはや世界規模のベストセラーであり、2021年には誕生55年目にして累計生産台数5000万台を記録した。そんなカローラの4代目モデル・E70型系は1979年3月に登場している。この世代では、累計生産台数1000万台という数字を達成したことが話題になった(1983年3月)。
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登場時に話を戻すと、この4代目カローラに用意されたボディは2ドアと4ドアのセダン、2ドアのハードトップ、3ドアのファストバック・クーペとリフトバックの5種類。ファストバック・クーペのツインカムエンジン搭載車のみは「カローラ・レビン」と称した。バンは遅れて1979年8月に登場している。ボディサイズは全長4050mm/全幅1610mm/全高1385mm。ホイールベースは先代より30mm延長されて2400mmとなった。
初代以来、柔らかな曲線を多用したスタイリングが特徴のカローラだったが、E70型系では、来る1980年代に相応しい直線基調のシャープなルックスに生まれ変わっている。丸型4灯ライト(セダンとバンのみ)もひとクラス上の上質感を漂わせていた。シャシーレイアウトはFRだが、次のE80型系ではFFとなるので(レビン除く)、カローラ全体としてはこの世代が最後のFRとなる。サスペンションは前ストラット/後ろ4リンク。ブレーキは全車フロントにディスクを採用している。
エンジンは1.3L 直4OHVの4K-U(72ps)と1.5L 直4OHCの3A-U(80ps)を基本に、スポーツモデル用として1.6L 直4DOHCの2T-GEU(115ps)があり、合計3種類。このツインカムは前述のレビンと、セダンに用意されたGTのみに搭載されたが、いずれも大型衝撃吸収バンパーを装着しており、全長は他のモデルよりすこし長い(4225mm)。エンジンラインナップにはデビューからすこし遅れて1.8L 直4OHVの13T-U(95ps)と、1.8Lディーゼルも加わった。
デビュー2年半後の1981年8月にはマイナーチェンジを実施し、前後のデザインを変更。バンを除く全モデルのヘッドライトが角型異形2灯タイプとなった。1982年5月にはバンをベースに5ナンバーとしたワゴンを追加。その1年後にフルモデルチェンジが行われたが、バン/ワゴンはルーフを45mm高める変更を施されたうえで継続生産されている。
幅広ボディの違和感を緩和しつつ細部も改修
E70型系カローラについては、スタイリッシュなレビン(TE71)の人気が高く、プラモデル化の数も多かったが、4ドア・セダンについては、イマイの1/24スケールが唯一となる。イマイがキット化したのは後期型1600GT(これも型式はTE71)であったが、同社廃業後に金型を引き継いだアオシマでは、パーツの追加によって前期型も製品化。前期/後期それぞれにGTとDXをラインナップし、現在(2022年10月)ではこの4種のいずれかを選択して作るキットとしている。
4種選択式となったのは、アオシマのカーモデルが「ザ・モデルカー」シリーズに統合された時であったが、それ以前には、パトカー仕様も発売されていた。実車のベースはおそらく最廉価版のスタンダードではないかと思われるが、アオシマのキットもスタンダードとほぼ同じ外観のDXをベースにパトカーパーツとデカールを追加したものであった。ただし、アオシマのDXはそもそもDXというよりはGLとSEの折衷版的なディテールとなっている。ここでお目にかけているのは、そんなカローラ・パトカーのキットを若干の手を入れて制作したものだ。
旧イマイのカローラはボディ自体が若干幅広なのだが、そこは今回はスルー。こだわって、幅詰めを試みるのも面白いだろう。フロントへ前期グリルのパーツをハメ込む際には、ボディのモールドを大きく削り落とすよう指示されているのだが、その通りにしても人によっては若干の違和感を覚えるのでは。幅の広いボディに合わせて新規パーツがデザインされているためだ。作例ではその違和感の緩和を狙って、ボディ側の縦方向の厚みを増やしてバランスを取ってみた。具体的には、グリルとバンパーの間のスペースを増し、バンパー下エプロンパネルのボリュームをプラスしている。
その他、コーナーランプやボンネット上プレスライン、リアバンパー周りの修正など、様々な細かい改修については、工程写真のキャプションで説明しているのでご参照頂きたい。また、この作例で行った作業にプラスして、サイドモールの削除やフェンダーミラーの形状修正(キットのミラーはGTおよびSEのもので、それより下のグレードにはもっと簡素なものが装着されている)を行うと、よりリアルなパトカーにすることができるだろう。
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