クルマはやっぱり飛んじゃダメ!テールフィンが控えめになった「1960年型シボレー・インパラ」のモノグラム製プラモ【モデルカーズ】

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1960年型シボレー全体における最大のニュースは何と言っても、リアエンジンのコンパクトカーであるコルベアの登場だったが、フルサイズのラインナップは、おもにデザイン面での変更にとどまっていた。前年型では、テールフィンの形状から高速走行時に揚力が発生し不安定になるという問題があったが、これを受けてフィンの形は控えめなものとなり(あくまで水平に伸びている)、ボディサイドのロケット状オーナメントともあいまって、伸びやかな直線が強調されている。

【画像12枚】水平基調ラインがスタイリッシュなインパラを見る!

ラインナップは下からビスケイン、ベルエア、インパラの3種類。インパラのみは丸3連テール、他は2連テールとなるのが特徴で、前々年のスタイルに戻った形だが、1960年代を通してこれがシボレーのアイデンティティともなった。インパラは前年同様にセダンや2/4ドア・ハードトップ、コンバーチブルなどをラインナップ。装備面も前年同様にベルエアとほぼ共通で、その上にバックアップライトやグローブボックス内の照明、電気時計などがプラスされていた。エンジンは前年と同じ235.5-cid(3.9L)の直6(最高出力135hp)が標準。オプションの348-cid(5.7L)V8はチューニングの違いにより250hpから335hpまで数種類が用意されていた。

モノグラム製プラモはボディと別体のメッキモール取り付けがカギ!
キットは1998年に発売されたもの(No.2532)で、メイド・インUSA。その後ローライダー仕様(2040)となり、「カリフォルニア・ホイールズ」仕様(85‐4248)になった後、現在はカタログ落ちしているようだが、後者は2 in 1でストックにも組め、前者にもタイヤ以外ストックのパーツは残されていた。トランクが開閉可能となっているのは、最初からローライダー仕様を予定していたからだろう。

ボディのアウトラインはおおむね問題なく、シャシーやエンジン関係は1959年型のパーツを流用しているが、インテリアは変更されている。もちろん実車もシャシーは前年と共通だが、スペアタイヤが横置きに変わったので、トランクフロアのタイヤ収納部の張り出しは存在しないはず。このパーツのおかげでシャシーが押し下げられ、車高が若干高いようだ。サイドシルからシャシーが覗くので、両端を斜めに削り目立たなくした。完成後に気が付いたが、ホイールベースがすこし短い。後輪を後ろにずらし、シャシー全体はすこし前にずらすと、自然な位置になるだろう。

少々厄介なのは、別パーツになっているボディサイドのメッキモールだ。塗装後に組み立てると、塗料の厚みでボディの溝にうまく収まらないことがありうる。パーツの側面を少し削って、フィッティングしながらエポキシ接着剤で取り付けた。フロントグリルとリアガーニッシュはボディといまいち馴染まない。メッキを剥がしてボディと摺り合わせをしてから、業者による再メッキを施した。前後バンパーも同様にパーティングラインを処理後、再メッキしている。前後フードやテールフィン後端のモールも別パーツだが、これらは一体感を出すためメッキを落として接着、塗装後にメタルックを貼った。

ボディカラーはTASCO TURQOISE METALLIC(915‐A)とERMINE WHITE(936‐A)のツートン。ターコイズはアクセルSのブルー+グリーンを基本に、クレオスのC8シルバーで明るさを調整した。ホワイトは実際のカラーチップではガルグレーのような色だが、作例ではホワイトに微量のブラックとイエローを混ぜて、やや明るくした。インテリアの色調は不明だが、推測でブルー系のスリートーンとした。シートとドア内張りの中央部は、実車では千鳥格子のようなクロス張りで、キットでは付属のデカールで再現されているが劣化のため使えず、手描き再現も難しいので作例は単色仕上げにしている。

作例制作=畔蒜幸雄/フォト=羽田 洋 modelcars vol.154より再構成のうえ転載

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2022/08/05 12:00

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