コンパクトカーとしての性能を徹底的に追求
K11型 日産マーチがベースのインパル・マーチを、フジミ製1/24スケール・プラモデルを使用して再現した作品については、前編の記事(下の「関連記事」参照のこと)にてすでに述べた。ここでは、実車のK11マーチについて触れておこう。
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1982年に生まれたリッターカー、日産マーチは1992年1月にフルモデルチェンジを行い、二代目・K11型系へと進化した。初代は9年少々の間に約160万台を生産するロングライフモデルとなったが、二代目も長期間の生産・販売を前提に、当初からロングライフ商品として開発された。「高効率のパッケージングと経済的で軽快な走りのニューコンパクト」をテーマに、初代の長所を継承しつつコンパクトカーとしての性能を徹底的に追求したという。
ボディ形式は3ドアと5ドアの2種類のハッチバックを設定。初代ではデビュー1年後に5ドアを加えていたが、二代目では最初からふたつのボディをラインナップしていた。プラットフォームから一新され、全長を短縮しながらもホイールベースの延長(60mm)などによって広い室内スペースを確保。レイアウトはFF、サスペンションは前ストラット/後ろ5リンクだが、リアサスペンションはコイルスプリングを床下に配置、ラゲッジスペースを先代よりも10%拡大した。
スタイリングは、ロングライフモデルとなることを念頭に、全体に丸みを帯びた柔らかい形状を採用。インテリアデザインにもこれは徹底されたが、単に形状的な特徴ということにとどまらず、シートをなで肩な形とすることで室内の狭苦しさを解消するなど、巧みな配慮が見られる。
エンジンは先代の1L/1.2Lから後者は1.3Lへと排気量アップしているが、どちらも新開発のものに世代交代している。すなわち、直列4気筒DOHC 16バルブのCG10DE/CG13DEの2種類。前者は経済性を重視したものとされ、最高出力58ps。後者はさらに余裕のある走りを追求したもので、79psを発揮した。トランスミッションは両者MTとATが設定されるが、MTはいずれにも5速が組み合わされるのに対し、ATは1L車にはOD付4速、1.3LにはN・CVT(新開発の無段変速機)というマッチングとなる。
細かな変更とバリエーション追加を繰り返したK11マーチ
この二代目マーチも結果として10年に及ぶ息の長いモデルとなったので、以後の変遷については簡単に記していこう。3回ほどの仕様変更などを挟んで、1995年12月にはマイナーチェンジを実施。フロントグリルの形状変更や新デザインのアルミホイール/ホイールカバーの採用など外観に手が加えられるとともに、スポーティグレード(1L車)の追加などが行なわれている。
2度目のマイナーチェンジは1997年5月、デュアルエアバッグやABSがほぼ全グレードに標準装備され、またエクステリアではフロントグリルをリデザイン、形状が変わっただけでなく、ボンネットと一体型に改められた。同年8月にはカブリオレを、10月にはレトロ調の特別仕様車マーチ・ボレロを発売している。
このあとも細かな変更や新グレードの追加を挟み、1999年11月には3度目のマイナーチェンジ。このときの変化は大きく、5ドアのリアオーバーハングを伸ばしたワゴン”BOX”を追加したほか、新たな無段変速機HYPER CVTを1L/1.3Lともに採用、さらに4WD車の新設や1.3L車の排気量アップなども行われている。そして2002年2月、フルモデルチェンジによりマーチは三代目へと生まれ変わったのである。
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