美しい名車の姿に運命を感じて…
ダイキャストミニカーの改造により制作された、1/24スケールの1965年式日産セドリック・カスタムについて、前編の記事(下の「関連記事」をご参照のこと)に引き続きご紹介したい。この作例は、自動車模型専門誌「モデルカーズ」の267号(2018年)において、巻頭特集にて掲載されたものであるが、以下お読みいただくのは、作者・坂中氏によるこのときの文章である。
【画像61枚】緻密に再現されたセドリック・カスタム、その細部の制作工程を見る!
「今年(注:2018年)春から日産・座間工場跡地に開業した『イオンモール座間』内に、『NISSAN ZAMA INFORMATION CENTER』が開設され、日産ブランドの発信基地として賑わいを見せています。今から13年前の2005年11月、セドリックの2代目である130型の『発売40周年記念ミーティング』が、未だ門戸開放されていなかった頃の『日産座間記念庫』(注:その後『日産ヘリテージコレクションとして一般公開されたが、現在は休止中』)にて全日本ダットサン会・会員限定の非公開で行なわれましたが、私と、模型仲間である相棒の二人も、会員さんのツテで参加させて頂きました」
「各オーナーさんにより愛情込めて手入れされた美しい130型セドリックをひとしきり堪能した後、夕方になって、1台の初代セドリック後期型(H31)が会場内にスーッと入ってきました。『ニッサングリーン』の美麗な横目4灯に目を奪われ、ふとナンバープレートを見て驚きました。偶然にも数字が私の誕生日と同じだったのです。初代の後期ということは1965年製の可能性もあり、自分と同期のクルマではないか、もはやコレは運命、と勝手に思い込んでしまいました。
それから12年経った昨2017年秋、『スペシャルスケール1/24 国産名車コレクション29号』として『日産セドリック1900カスタム(1961)』が発売され、書店にて購入しました。この製品では、初代前期タテ目のカスタムが再現されています。私は以前にも2013年の205号で、山田模型の当時物である初期型タテ目セドリック・デラックスを担当させていただきました。実車のホイールベースは、デビュー当時のデラックス(30型)で2530mm、前期型のカスタム(G30型)が2630mm、そして後期型のカスタム(H31型)では2690mm、と、年々拡大されています。
上記のようなわけで後期型カスタムをぜひとも作りたかったのですが、この1/24スケール・ミニカーを後期型カスタムに改造するには、ボディ前後の改造だけでなく、60mm延長されたホイールベースを再現しなくてはなりません。ダイキャスト製のままではそれも大変なので、まずボディをレジン樹脂に置き換えることとし、フロントドア部で2.5mm(60mm÷24)延ばすために複製ボディを2個用意して、これを切り継ぎました。
前輪はステア可能とし、タイヤはタミヤのあれを使用
タイヤは、セドグロ・クラスに丁度良いタミヤのジャガー・マーク2サルーンから流用。ホワイトリボンは、100円ショップやスーパーで売っているタックシールを、コンパスカッターで切り抜きました。オリジナルのミニカーは前輪がステアしない造りにつき、エバーグリーンのプラ材とアメ車キットのパーツを組み合わせ、シャーシも内側に拡幅して、ステア可能にしています。実車カタログでは、走りを強調する必要のない車種だけに直進のカットしか載っていませんが、ここはやはり模型として、左右旋回の表情をつけてみたかったのです。
ボディカラーのニッサングリーンについては、いつも懇意にしていただいております赤羽模型玩具店さんの的確なアドバイスに助けて頂き、実車のムードに近づく調色が出来たかなと思います。最後に、貴重な資料入手に御協力いただいた模型仲間諸氏と、制作にあたり協力してくれた相棒に感謝申し上げます」
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