なぜ「7th」にそこまでコダワるのか!?ハセガワ製プラモ「スカイラインGTS-R」とフジミ製4ドアを合体!【モデルカーズ】

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ハイソカー路線から徐々に軌道修正した7代目

日産スカイラインは1985年8月にモデルチェンジを行い、7代目・R31型系へと進化した。所謂7th(セブンス)スカイラインの登場である。この頃、トヨタのマークⅡ三兄弟が牽引するハイソカー・ブームが日本の自動車業界を席巻しており、この7thスカイラインもこれに対処すべく、ハイソカー的傾向を強めていたことが特徴であった。

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デビュー当初のボディ形式は4ドアのセダンとピラーレス・ハードトップのみ。歴代スカイラインのうちで唯一の4ドア・ハードトップであるが、2ドア・モデルがないことが、豪華志向の強調と併せてファンを落胆させた。一方でファンにとって心強いニュースは、かつてのS20型以来となる直列6気筒DOHC 24バルブ・エンジンの復活である。これは、先行してC32型ローレルでデビューしていたRB型エンジンにDOHCヘッドを組み合わせたもので、NAのRB20DEとターボ付きのRB20DETを用意、後者の最高出力は210ps(グロス値)であった。

搭載エンジンはローレル同様にL型が一掃されRB型メインとなり、OHCのRB20Eにそのターボ付き仕様のRB20ET、そして前述のDOHC 2種の4種がGT系に採用された。4気筒モデル(先代までのTI系)にはCA18S、そしてディーゼルのRD28も設定。サスペンションは先代同様に前ストラット/後セミトレ(4気筒モデルは5リンクのリジッド)だが、新機構としてHICASが設定されたのが目新しかった。これは速度に応じて後輪を前輪のステアと同位相へと微小に角度変化させるもので、後にHICAS-Ⅱ、スーパーHICASなどと発展していったのはご存じの通りである。

そもそもスカイラインの豪華路線は昔からの持ち味のひとつで、ハコスカやケンメリのGT-Xなどからゴージャスさを売りにしていたものであるし、先代R30型でもすでに、ルースクッションシート装備のGTパサージュという豪華グレードを設定していた。R31ではこの路線をかなり強め、ルースクッションシートもダークブルーやワインレッドといった配色を採用し、マークⅡなどに対抗したのであったが、先代のRS系などで走りのイメージを強めていただけに、この路線への拒絶反応は強かったのであろう。

そうした不満は日産も把握していたと思われ、翌年早々ワゴンを追加したのに次いで、5月には2ドア・モデルが新設されている。ユーザーを焦らす作戦であったのか、それとも企画や開発自体が実際に遅れていたのか、そこは定かでないが、いずれにしろここでスポーツ路線を打ち出し、大いに歓迎されたのである。それまでの2ドアとは異なり、7thの2ドアはBピラーを持つクーペで、2ドアスポーツクーペGTSというのがその名称であった。フロントマスクも4ドアとは差別化され、スラントを強めたノーズに薄型のヘッドライトとグリルを装着し、精悍さを強調していた。

1987年にはマイナーチェンジを実施、4ドアも2ドア同様のスラントノーズと薄型ヘッドライトを採用し、スポーツムードを強調。また、グループA参戦のためのホモロゲモデルとしてGTS-Rを800台限定発売。エンジンは大型のターボチャージャーやインタークーラー、ステンレス製のエキゾーストマニホールドなどを組み込んだ専用ユニットのRB20DETR(最高出力はネット値で210ps)を搭載している。こうして徐々にスポーツ性を強めていったR31は1989年にモデルチェンジ、続くR32型でのGT-R復活を迎えたのである。

フジミ製キットのキャビン後半からリアデッキを移植!
さて、このように強い人気を獲得するに至らなかったR31型スカイラインだけに、プラモデル化の数は多くなかった。キット化したメーカーは長らくフジミが唯一で、1/24スケールでは4ドア・ハードトップと2ドアクーペ(GTS-R)のふたつがある。4ドアは実車デビュー当時にリリースした前期型と、実車マイナーチェンジに併せてそれを改修した後期型があり、現在も入手可能なのはもちろん後者。ボディの雰囲気は良好ではあるが、シリーズ共通シャシー(いわゆる板シャシー)に合わせて設計されているため、プロポーションは若干立派すぎるようだ。

この状況に一石を投じたのがハセガワで、実車デビューから30年以上のちの2018年、GTS-Rを新金型で1/24スケール・キット化。レース仕様やGTS-Xなどのバリエーションも展開している。ハセガワのキットはとにかく実車のプロポーションに忠実に、そして細部のモールドは繊細なまでに細かくというのが売りで、この7thスカイラインもその例に漏れない。そこで、このハセガワのキットをベースに、フジミの4ドア・ハードトップからキャビンなどを移植すれば、最高の7th 4ドア・ハードトップができるのではないかと、その改造へ実際に挑んでみたのがこの作例なのである。

結果は御覧の通り、文句なしのGTパサージュ・ツインカム24Vターボが出来上がった。その細部については、制作過程とその解説も併せて画像を御覧になって頂きたい。また、フジミの4ドア・ハードトップをほぼ素組みした作例との比較写真もあるので、これもご参照頂ければ幸いだ。

作例制作=吉田 優/フォト=服部佳洋 modelcars vol.285より再構成のうえ転載

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2022/09/19 17:40

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