次世代MINIデザインを予告する“カリスマティック・シンプリシティ”
MINIファミリーに新たなメンバーが加わる。エースマンと名付けられた5ドアクロスオーバーのコンセプトは、2年後に登場予定のBEVで、スリーサイズは全長が4.05m、全幅が1.99m、全高が1.59m。3ドアハッチバックとカントリーマンのちょうど中間にあたるボリュームだ。
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「カリスマティック・シンプリシティ」とは、本質のみに凝縮し、典型的な MINIデザインの特徴を一層重視するという考え方という。
プレスカンフェレンスでは、技術的な内容は伝えられなかったが、先に発表されたBMW iX1と共通のUKL/FDAR(スモーラークラス/フロントドライブアーキテクチャー)上に構築されるのは確実。パワートレインは第5世代のeDriveシステム、バッテリー容量は64.7kWh(ネット)とそれぞれ予想されている。
今回は、むしろ次世代MINIを予告するデザインがハイライト。前後を切り詰めたオーバーハング、水平に伸びた高めのショルダーラインなどは基本的に従来と同様だが、MINIのアイコンである丸形のヘッドライトは異形に、フロントグリルは6角形から8角形へと変貌。20インチタイヤ(標準は19インチ)を収めるべく、大きく張り出したプラスチック製ホイールアーチも真新しい。
ダッシュセンターに丸形のタッチスクリーンを据える手法は従来通りだが、スイッチ類はさらに省略。きわめてシンプルな造形だ。
ドアを開けるとオープニングミュージックで迎え入れられるキャビンは、フロア下に配置したバッテリーとコンパクトな電気モーターにより予想以上にルーミーで、後席空間にも十分なゆとりを確保。インテリアはきわめてシンプルで、インフォテイメントは中央の丸形LEDタッチスクリーンに集約されるが、このコンセプトモデルに限り、ダッシュボード全体がインフォメーションスクリーンとなっている。また、トリム類にレザーやクロームは一切使用されず、すべてリサイクル素材で賄われる。
ところで、MINIは今年から「gamescom」のスポンサーかつモビリティパートナーを務める。このイベントは2009年から毎年ドイツのケルンで開催されてきたゲームの見本市で、コロナ禍により2年ぶりの開催となったが、ここにエースマンがポケモンモードで登場。このコラボが、今後どんな展開を見せるのか全体像は未発表だが、ケルンの会場では、センタースクリーンにピカチュウやポケボールが現れ、稲妻によってダッシュボード全体がアニメーションの世界となっていた。
エースマンは2024年の発売が予定されているが、それまでに単なる移動手段を超えた、多くの新しい提案を見せてくれるはずだ。
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