ポルシェの伝統と革新のぶつかり合い! エンジン車とEVの2台巨塔「911GT3」と「タイカンターボS」が忖度なしのガチンコ対決、よりポルシェらしいのはどちらだ――⁉

タイカン・ターボSの加速力は伊達ではない

一方、タイカン・ターボSは、ややキャラクターが異なる。前後に電気モーターを搭載した4WDの4ドアクーペである同モデルは、最高出力761ps、最大トルクは1050Nmと強烈で、アクセルを深く踏み込めば、体がシートにめり込むほど猛烈な加速力を披露する。0→100km/h加速2.8秒は伊達ではない。

タイカン・ターボSは、ポルシェがアウディと共同開発したJ1パフォーマンスプラットフォームを採用し、RS e-tron GTとメカニズムを基本的に共用する。バッテリー容量も93kWhでRS e-tron GTと共通だが、モーターの出力性能は異なる。

だが大人しく走行する分には、タイカン・ターボSはとても快適。乗り心地はフラットで非常に快適で、EVなので静粛性も抜群。全長が4965mm、ホイールベースは2900mmと長いが、こちらもリアアクスルステアを搭載するおかげで、意外と小回りも効く。

リアパッセンジャースペースも十分実用的で、荷室容量も前後合わせて500L近くあり、航続距離も400kmと、これならファーストカーとしても使えそうと思わせてくれる出来栄えである。

ハンドリングも、既存のICE車と同じとは言えないものの、ダイレクト感があるステアリングフィールやハンドリングの正確性などは、とてもポルシェらしさが感じられる部分。これはこれで、オーナーはとても満足感が味わえるだろう。

【Specification】ポルシェ・タイカン・ターボS
■全長×全幅×全高=4963×1966×1378mm
■ホイールベース=2900mm
■車両重量=2295kg
■モーター最高出力=625ps(460kW)
■モーター最大トルク=1050Nm(107kg-m)
■トランスミッション=1速固定式
■サスペンション(F:R)=Wウイッシュボーン:マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F:R)=265/35ZR21:305/30ZR21
■車両本体価格(税込)=25,070,000円

フォト=小林俊樹/T.Kobayashi ルボラン2022年9月号より転載

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