EVになっても”駆け抜ける歓び”は健在! BMWの新型EV「i4」はとにかく走りが気持ちいい注目の1台

終始スムーズな走りで意のままに操れる

中高速コーナーが連続する区間に移っても、印象は変わらずだ。走行モードがスポーツならステアリングの手応えは少しだけ重めになるが、切れ味はスッキリしたままでスムーズさが際立つ。高速コーナーを駆けぬける際に路面のうねりを通過しても、ボディはムダに動かずフラットな姿勢を維持。フロアにバッテリーを構造的に統合したことでボディのねじり剛性が高くなり、前後の接地バランスも最適化されているためだ。

しかも、剛性が高くなったことでロードノイズの遮音性が向上している。さすがに、舗装の骨材が見えるようなザラついた路面を通過するとゴーッというノイズが聞こえる。だが、響かず音量が抑制されているので耳障りではない。

最高出力が340ps、最大トルクは430Nmを発揮するモーターは、リアアクスルの後方に搭載される。走行モードがスポーツなら、アクセル操作に対する力強さの立ち上がりがシャープになる。だが、強大なトルクが飛び出してくるような唐突感とは無縁だ。

室内は広く後席に大柄な男性が乗車しても狭さは感じない。ラゲッジ容量は470Lという十分なスペースが確保される。

にもかかわらず、刺激的な速さが実感できる。同時に文字では表現が難しいがクゥイーンという感じの電子音が重なるだけに、加速の伸びやかさが実感しやすい。このあたりのモーター制御でも、EV開発の実績がモノをいう。

走行モードをコンフォートにすると、アクセル操作に対して超スムーズに力強さが立ち上がる。電子音の演出もないので刺激不足と思われかねないが、市街地であれば周囲の流れを置き去りにできるくらいの加速がこなせる。加速だけではなく、セレクターをBレンジにして回生を強めに効かせても減速はスムーズだ。

日本の急速充電規格のCHAdeMOに対応。今後の普及が見込まれる150kW仕様なら約30分で0~80%まで充電が完了。

なお、フル充電での走行距離はWLTCモードで604kmと十分だ。もちろん、国内の急速充電に対応し、最近増えてきた90kW仕様なら約40分で0〜80%。BMWウォール・ボックスによる200V/32Aの普通充電なら、15時間で0〜100%に達する。

【Specification】BMW i4 eDrive40 Mスポーツ
■車両本体価格(税込)=¥7,910,000
■全長×全幅×全高=4785×1850×1455mm
■ホイールベース=2855mm
■トレッド(前/後)=1590/1605mm
■車両重量=2080kg
■フロントモーター種類=交流同期電動機
■最高出力=340ps(250kW)/8000rpm
■最大トルク=430Nm(43.8kg-m)/0-5000rpm
■バッテリー種類=リチウムイオン電池
■定格出力=105 kW
■一充電走行距離(WLTCモード)=604km
■サスペンション形式=前:ストラット/コイル、後:マルチリンク/エア
■ブレーキ(前/後)=Vディスク/Vディスク
■タイヤ(ホイール)=前 245/45R18(8.5J)、後 255/45R18(9J)
■問い合わせ先=BMWジャパン70120-269-437

BMW i4公式サイト

フォト=郡 大二郎/D.Kori ルボラン2022年9月号より転載

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萩原秀輝
AUTHOR
2022/07/29 10:00

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