ゴルフにトランクを付けるとはこういうことか!フジミ製プラモ「VWゴルフⅡ」をジェッタに改造!【モデルカーズ】

全ての画像を見る

ハイデッキスタイルが特徴の2代目

フォルクスワーゲン・ジェッタは初代ゴルフの3ボックス版として、ゴルフ登場から5年後の1979年に誕生。パサートとの間を埋める高級版ゴルフであり、ノッチバックセダンを好む保守的なユーザーを受け止める役目を担っていた。また、欧米の一部地域では防犯上の理由からハッチバックが好まれないことへの対処でもあった。初代はゴルフに無理矢理トランクを括りつけたようなルックスだったが、1984年登場の2代目はゴルフⅡと並行して開発され、セダンらしいバランスのとれたスタイルに成長している。

ハイデッキによる圧倒的なトランク容量が話題になったジェッタだが、俊敏な操縦性や高速クルージング性能などもゴルフ譲りで、2代目にはゴルフGTIに相当するスポーツグレードのGTも設定。1987年には新開発DOHC搭載のGT16Vが追加され、高性能スポーツセダンとして高く評価されている。1992年のフルチェンジで車名がヴェントに変更、1999年にはボーラに変わったが、2006年にはジェッタに戻った(アメリカ市場では一貫してジェッタ)。この名はジェット気流を意味し、メキシコ湾岸気流を意味するゴルフと対になっている。

さて、ここでお見せしているのは、2代目ジェッタGT 16Vを1/24スケールで再現した模型である。と言っても、ジェッタのプラモデルは存在しない。この作例は、フジミ製プラモデルのゴルフⅡを改造したものだ。実車現役当時にリリースされたフジミのゴルフは非常に出来が良く、シンプルな構成なので改造ベースにうってつけだ。GTI/GTI 16V/ラビット(北米版)などのバリエーションがあるが、使用したのはGTI 16Vで、1988年のマイナーチェンジで三角窓が廃された、通称フェーズ2の3ドアである。

ジェッタにも2ドアがあるのだが、この作品は4ドアということで、センターピラーの移築やドアラインの変更という作業が加わった。外装では、フロントグリルをプラ板やエバーグリーンの1/4丸棒などでスクラッチして、ヘッドライトはジャンク部品から削り出している。ゴルフからジェッタへの改造は、見た目の印象が大きく変わるため満足度が大きいが、角張った形は造形しやすく、難易度はそれほど高くない。改造工作初心者にもぜひトライしていただきたいと思う。

リアオーバーハングを延長して4ドア化
それでは4ドア化の改造作業を見ていこう。まず、リアハッチをタガネとエッチングソーで切り離し、その下のパネルも切断。間にプラ板を渡してボディを延長する(実車全長の差は330mm、その1/24で約14mm)。プラ板部分の表面にシアノンを盛って成形、さらにパネルの段差や下端の切れ上がりなどを造形する。そしてリアフェンダー上部となるプラ板を接着し、継ぎ目にシアノンを盛って成形した。Cピラーはジェッタの方が傾斜が強いので、余計な部分をガイドテープとタガネ、エッチングソーで切断。

ルーフ後端はカーブが付くので曲線ゲージと厚紙で型を作り、余分を切除。Cピラー根元を垂直に切ってリアデッキ前端位置を決め、フェンダー上部の面をプラ板で追加。下のフェンダー内側に接着することでプレスの段差を再現した。この上にプラ板を接着し(この厚みぶん側面は低くしておく)、後端の斜め面をシアノンで造形。テープを貼った裏側にペーストを盛り硬化させる。そしてキャビン後端にプラ板を被せて接着、窓の輪郭を描き込み開口部を刳り貫いた。リアコンビランプも枠の形に切り出したプラ板を接着し、内側を刳り貫く。

ライセンスプレート収納部はプラ板の箱組みで作り、プレスラインをスジ彫りで再現などしたのちリアの窓枠を作る。ウィンドウ開口部から直接型を取り、プラ板をひと回り大きく切り出してボディに接着、内側から切り抜くと窓枠になる。トランクにはスポイラーをプラ板で追加した。バンパーは側面を切断し延長しポリパテで成形、リアコンビランプはプラ板で自作。Bピラーは一旦切り取り、位置を変えて再接合、内側にプラ板で補強を入れておく。そして上下の継ぎ目と窓枠の不要部、さらにドアラインをシアノンで埋めた。

シアノンを平らに整え、ドアノブ取付け孔と凹みも埋める。リアドアの窓の後端ラインはもっと直線的でカドの丸みも小さいため、彫刻刀で窓枠外側のスジを直接彫り直した。僅かな違いだが見た目に影響する。ドアラインは型紙を作ってタガネで筋彫り、型紙を裏返せば反対側にも使用可能だ。ドアノブの凹みの作り直しはまずモーターツールで孔を開け、裏からプラ板で蓋をし、その表からシアノンを流して滑らかに成形する。

改造はインテリアなど多岐に亘るが、スペースの都合もあるので説明はこの程度にとどめておこう。実車のカタログカラーはレッド/ホワイト/ブラック/シルバー/ガンメタ/メタリックブルーなどがあるが、ドイツ車らしいシルバーをチョイス。Mr.カラーのC8シルバーにC2ブラックを極少量加えたもので塗装している。

作例制作=北澤志朗/フォト=服部佳洋 modelcars vol.289より再構成のうえ転載

■関連記事

関連記事

愛車の売却、なんとなく下取りにしてませんか?

複数社を比較して、最高値で売却しよう!

車を乗り換える際、今乗っている愛車はどうしていますか? 販売店に言われるがまま下取りに出してしまったらもったいないかも。 1 社だけに査定を依頼せず、複数社に査定してもらい最高値での売却を目 指しましょう。

手間は少なく!売値は高く!楽に最高値で愛車を売却しましょう!

一括査定でよくある最も嫌なものが「何社もの買取店からの一斉営業電話」。 MOTA 車買取は、この営業電話ラッシュをなくした画期的なサービスです。 最大20 社の査定額がネット上でわかるうえに、高値の3 社だけと交渉で きるので、過剰な営業電話はありません!

【無料】 MOTA車買取の査定依頼はこちら >>

注目の記事

「ル・ボランCARSMEET」 公式SNS
フォローして最新情報をゲット!