重箱の隅を突いて分かった新型Eクラスの総評は?
現代の高度な技術はボディによる性能やフィーリングの差は限りなく小さいが、じっくりと相対比較をすれば、それなりに違いを見いだせたことは興味深かった。
ステーションワゴンはラゲッジルームがセダンのように独立していないことでノイズが耳に付きやすいのが一般的。高度な快適性をもつEクラスならば、街中での短時間の試乗ぐらいだと違いがわからないぐらいのレベルだが、じっくりと比較してみるとわずかにセダンのほうが耳に心地いい。乗り心地もほぼ同様と言えるが、状況によってはセダンのほうが上質。ハンドリングはワインディングをそれなりに楽しむペースになるとフィーリングの違いは明確で、これまたセダンに軍配が上がる。そこまでマニアックに動きの気持ち良さや上質感の違いを求める人は多くないだろうが、あえてセダンを選択する意味はあるわけだ。
ステーションワゴンでも満足度は高いが、エンジンの選択は熟考したほうがいい。E200でも普通に走らせている分には不足はないが、フル乗車で荷物も満載といったそれらしい使い方が多いと高速道路の登り区間などでもう少し力が欲しくなるはず。軽快感に価値があるセダンならば軽量なE200とのマッチングがいいが、ステーションワゴンはディーゼルやE300が欲しくなるだろう。
スポーティとラグジャリーが融合したクーペとカブリオレは、その選択に悩む人も少なくないだろう。スポーティ重視ならクーペ、ラグジャリー重視&オープンエアの爽快感をとってカブリオレという、イメージ通りの違いは当然あるだろうが、今回の比較試乗ではカブリオレが想像以上に良かった。普通に考えれば重くてボディ剛性的にも不利な分、クーペに対して走りでは一歩譲ると思いきや、それらを絶妙なセッティングで克服してクーペとは違った魅力を獲得しているのだ。
ダイレクト感に溢れるクーペよりも穏やかではあるものの、ペースを上げても上質さは一切失われず、動きの素直さではむしろ上回っている。クーペは純粋にスポーティでワインディングを走らせているとペースを上げていきたくなる。対するカブリオレは高度なシャシー性能や良好なドライバビリティを適度なペースでしみじみと味わおうという気持ちになる。様々なクルマに乗ってきて酸いも甘いもかみ分けられる大人のためのモデルとして完璧に仕上がっているのだ。
今回の4台だけでも、それぞれが魅力的で迷ってしまうが、セダンが9、ステーションワゴンが8、クーペとカブリオレがそれぞれ4と計25ものモデルが用意されている。すべてのなかからベストEクラスを探せ! となると、相当に悩ましいことになりそうだ。
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