【海外試乗】ポルシェが描く電動化の“いま”と“これから”【Eパフォーマンス・ナイト】

プログラムは2025年の大革新に向けた壮大なプレゼンテーション

シートに座りドアを閉めるときにまず感じるのが、2トンを超える巨体であること。ドア自体の重さもそれなりだが、機密性も高く“軽く”では思いのほかドアは閉まらない。オプションのオートクロージャーはマル必チェック項目だ。そっとアクセルペダルを踏みモーターだけで走り出すと、先ほどまで感じていた重さがウソのように消えている。この巨体がびっくりするくらい滑らかに進み出す。

しかし本コースに入り、猛然と加速を始めた先導車の911に食らいつこうとアクセルペダルをフラットアウトすれば、トータルパワーで680ps/850Nmを発生させるハイブリッドシステムは、焦ることなく圧倒的な加速を見せつける。ペダルを踏んだ分だけクルマは前に飛び出し、戻した分だけ減速していく。感覚と足の動きが同調すると、やはり運転は楽しい。コンボイ走行で前記のコンディションのため、ストレートでも最高160km/hほどしか出せなかったが、カタログスペックの0-100km/h加速3.4秒、最高速度310km/hのポテンシャルは十二分に感じ取ることができた。

パナメーラ・ターボS Eハイブリッド(2種)、パナメーラ・ターボS Eハイブリッド・スポーツツーリスモの各モデルに乗り、トラックを走行。現在アジア・パシフィックで販売される最新のハイブリッドモデルを再確認した。

また偶然にも、「リアアクスルステアリング」のオプション装備車/未装備車を交互に乗り比べることができたが、その違いは顕著。未装備車は先導車の911と同じスピードで同じ走行ラインをトレースするとオーバーステアに見舞われることもあったが、装着車ならゼロ。コーナリングマナーは優秀で安定した姿勢を保ったまま綺麗に駆けぬけることができた。

いずれにしても、「パナメーラは4ドアサルーン」と先入観でカテゴライズしていた節はあったが、このハイブリッドシステムや最新テクノロジーが、スポーツカーの未来を切り開くであろうことを、まざまざと感じ取ることができた。

ポルシェの電動化は着実に我々を魅了していく

アジア太平洋地域で実車初披露となったカイエンEハイブリッドは、ピット前に用意されたスラロームコースのみの試乗で、しかもゲーム性も追加されたモーター走行によるタイムトライアル大会。出せてもせいぜい50km/h程度であったが、車重を感じさせることなくフラットな姿勢を維持したままコーナーを走りぬける安定感はキャッチできた。今後、カイエンの本命になりうる存在だ。

新型カイエンEハイブリッドは特設のスラロームコースで試乗。2トン超えの車重を感じさせないフラットな乗り心地だった。タイムトライアル大会ではエンジン始動で2秒、パイロンタッチで1秒のペナルティというルール。

今回のプログラムを終え、センセーショナルな発表や体験を期待していた旨をアジア・パシフィックの統括PRマネージャーへ「タイカンの展示はあると思った」と冗談めかしに伝えると、「今日経験したことがencapsulate(=カプセル化)されているのがタイカンです」との答え。つまり、2019年のタイカン生産開始、その先2025年の50%電動化は、このプログラムの延長線上にあり、「今日の経験がそのままひとつになって、来年には我々の元に届けられるから楽しみに待っていて」ということだ。

そう、ポルシェの電動化への革新は、少しずつそして着実に我々を魅了してくるのだ。

 

リポート:佐藤 玄(本誌) /フォト:ポルシェAG/ル・ボラン 2018年12月号より転載

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