新たなゴム複合体で低燃費性能と高破壊強度を両立。より薄く、軽いタイヤを2020年には実用化
タイヤによる燃費性能の向上というと、今までは転がり抵抗の低減が主なポイントとされてきたが、タイヤ自体の軽量化も重要な要素となる。そのためにタイヤのゴムを薄くするなどの開発も行われているが、ゴムを薄くすると耐久性や剛性が落ちるデメリットもあり、なかなか実用化域には達していなかった。
その課題にブリヂストンといくつかの大学、理化学研究所などが協力して取り組み、タイヤのゴムを革新的な強靱高分子複合体である「タフポリマー化」する手法にトライ。ダブルネットワークと呼ばれる構造を採用し、タイヤのゴムを薄く軽くしながらも、耐久性や耐摩耗性、耐引き裂き性などを確保できる技術にメドがついたと発表した。
その原理はかなり複雑でここでは説明しきれないが、すでにタフポリマー化した新規ゴム材料によるタイヤの試作・評価を始めており、’20年代前半の実用化を目指している。タイヤが軽くなれば、バネ下重量の軽減による操縦性の向上も期待でき、さらに廃タイヤのゴム量自体が減ることで環境保護にも貢献できる。
最近は転がり抵抗の低減とグリップ性能を両立したタイヤも増えて選択肢も拡がりつつあるが、これに軽量化の新技術が加わわればさらに実用燃費向上を図ることができるだろう。
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