全モデルで「BMWコネクテッド・ドライブ」を標準化
「X2」は、BMWがいうところのSAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)における最新作。いわゆるクーペ風SUVのコンパクト級に位置付けられるモデルで、そのスタイリッシュな佇まいはベースとなったX1や兄貴分となるX4、あるいはX6とも異なるテイストに仕上げられている。また、本国には従来からの「Ⅿスポーツ」グレードも存在するが日本仕様はベーシックな「スタンダード」と、ラリースポーツにインスピレーションを得たという新グレードの「MスポーツX」に限定。後者については、ホイールアーチやボディサイドのモール類をフローズン・グレー仕立てにして独自性を演出している。
搭載エンジンは、1.5リッターと2リッターのガソリンターボ。ギアボックスは前者が7速DCTで後者は8速AT、駆動方式はそれぞれでFFと4WDの「xドライブ」を組み合わせる。価格帯は436~515万円で、SUVの典型的パッケージとなるX1より同程度のグレード同士だと若干高めな設定になっている。
さて、そのデザインの詳細や走りについては別に機会を譲るとして、このX2にはいかにも最新モデルらしい別の特長もある。それは、全グレードで「BMWコネクテッド・ドライブ」を標準化したことで外部と‟繋がる“機能が強化されていることだ。主要機能の内訳は、緊急時にコールセンターに音声接続される「BMW SOSコール」や車両の整備データやステータス(位置情報を含む)などを指定の正規ディーラーやコールセンターとやりとりできる「BMWテレサービス」などだが、カーライフの利便性を向上させる機能も充実している。
たとえば、スマートフォン専用アプリである「MY BMWリモートApp」をインストールすれば車外からベンチレーションを起動させたりドアの施錠&解除といった遠隔操作が可能。加えてPCやスマートフォンで事前検索した目的地情報を車両に送信、ナビゲーションに設定することもできる。さらに同じく専用アプリの「BMW Connected」を介して車両に接続すると、「iDriveコントローラー」やディスプレイといった車内のインターフェイスで専用アプリ内のさまざまなコンテンツを利用できる。ちなみに最新ニュース、天気予報などの情報は、スマートフォンを使わずとも車載通信モジュールで閲覧&検索が可能だ。
この種の機能、EVを筆頭とする電気駆動モデルでは早くから導入されていたし、近年ではプレミアム系のモデルを中心に普及が進んでいる。その意味では、もはや特別目新しいというわけではないが、純粋なガソリン車にしてコンパクトSUVであるX2に当たり前にように採用されたことは、‟繋がる“ことが当然となる時代の本格到来を告げる現象といえるかもしれない。