伊勢志摩スカイライン(No.062)
朝熊山に駆けのぼり、碧く輝く伊勢湾を見おろす。
距離の割に通行料が少々高いことを別にすれば、伊勢志摩スカイラインは実に気持ちのいい道だ。
全長16.3km。伊勢側も、鳥羽側も、登り口はタイトなコーナーが連続するが、中腹を過ぎる頃からカーブの曲率は大きくなり、それに合わせて視界も広がっていく。眺めも走りも変化に富んでいて、山頂の朝熊山展望台まで来れば伊勢湾が眼下に一望となる。
取材時には対岸の伊良湖岬がうっすら見える程度だったが、冬場の空気が澄み切った日には、ここから南アルプスや富士の姿まで遠望することができる。大晦日は終夜営業しているし、路面凍結の心配もほとんどないから、初日の出を拝むのにも絶好のスポットといえるだろう。
また、鳥羽側に下った先にはリアス海岸をゆくパールロードがあるし、さらに南の紀伊半島へと足を伸ばすこともできる。まさに絶好のドライブルートなのだが、ただし、クルマで走り回っているだけではいけない。忘れてならないのはお伊勢さんである。
伊勢神宮は日本人の心のふるさととよく言われるが、ある意味、お伊勢参りは日本人の旅の原点。なにしろ江戸時代、宝永のお蔭参りの年には1年間に350万人もの人が伊勢神宮に参拝したという(当時の総人口は3000万人足らず!)。まずはしっかりお参りを済ませてから、スカイラインの走りを楽しんでいただきたい。
◎通行料金/普通車1250円(片道) ◎区間距離/約16km(伊勢市-鳥羽市)
◎冬季閉鎖/なし・7:00-19:00(夏季などは延長)
◎撮影時期/5月上旬
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