ゴルフ寄りの「ポロGTI」
ホットハッチが今、存続の危機にある。電動化のあおりでスポーツモデルを作る自動車メーカーが減っているだけでなく、欧州諸国ではCO2排出量に応じた課税制度が導入されていることもその一因となっているというのだ。
そんな中で孤軍奮闘しているのがフォルクスワーゲンである。ホットハッチの原点というべきGTIを筆頭に、パフォーマンス重視のR、日常性も加味したRラインと、3つのタイプを用意しているのだ。ここでは、その多彩な世界をご案内することにしたい。
という訳で、ここで採り上げるのは2台のGTIである。本来であれば“元祖GTI”のゴルフについてを先にお伝えすべきところだが、ここでは「おめでたいニュース」が届いたポロGTIを先にご紹介しよう。
初のポロGTIが誕生したのは1998年のこと。そこで昨年、本国ではポロGTI生誕25周年に合わせて、世界限定2500台の記念モデル「Edition25」がデビューした。そして、この特別なポロGTIが先ごろ国内でも発売されたので、いち早く試乗したという次第である。
207psを生み出す2LターボエンジンはベースとなったGTIと同一ながら、本来はオプションとなるスポーツセレクト付スポーツパフォーマンスキットが標準となるほか、ホイールも17インチから18インチに格上げしたうえでブラックの精悍なデザインを採用。
さらに純正インフォテイメントシステムを標準で備え、専用のシートやステアリングなども奢られている。ボディサイドに貼られたステッカー、そして限定生産であることを示す「One of 2500」と記されたドアシルプレートも、この限定モデルだけに与えられた特別装備だ。
その走りは、コンパクトなポロだけあって活発そのもの。その分、乗り心地は硬めだが、以前に比べるとサスペンションストローク初期の動き方が滑らかになったように思う。いずれにせよ、スポーツドライビング好きであれば納得の乗り心地とハンドリングだろう。
ポロGTIはエンジンの吹け上がりも軽快。アクセルペダルを踏み込めば、グイッと背中を押し出されたかのような加速感を味わえるはずだ。
いちだんと大人びている「ゴルフGTI」
これに比べるとゴルフGTIはいちだんと大人びている。しかもセンタリング感が明確なステアリングは直進性が良好なほか、エンジン音からはある種の精度感がはっきりと伝わってくる。長年ホットハッチを乗り続けてきたドライバーにもお勧めの1台だ。
Volkswagen Polo GTI Edition 25
■全長×全幅×全高= 4085×1750×1430mm
■ホイールベース=2550mm
■車両重量=1310kg
■エンジン種類/排気量=直4 DOHC 16V+ターボ/1984cc
■最高出力=207ps(152kw)/4600-6000rpm
■最大トルク=320Nm(32.6kgm)/1500-4500rpm
■トランスミッション=7速DCT
■サスペンション(F:R)=マクファーソンストラット:トレーリングアーム
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ディスク
■タイヤサイズ(F:R)=215/40R18:215/40R18
■車両本体価格(税込)=4,865,000円
Volkswagen Golf GTI
■全長×全幅×全高=4295×1790×1465mm
■ホイールベース=2620mm
■車両重量=1430kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1984cc
■最高出力=245ps(180kw)/5000-6500rpm
■最大トルク=370Nm(37.7kg-m)/1600-4300rpm
■トランスミッション=7速DCT
■サスペンション(F:R)=マクファーソンストラット:4リンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F:R)=235/35R19:235/35R19
■車両本体価格(税込)=5,250,000円
問い合わせ=フォルクスワーゲン・グループ・ジャパンTel.0120-993-199
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