【海外試乗】パサート史上最大のボディサイズとなった完全無欠のミドルクラスワゴン「フォルクスワーゲン・パサート eハイブリッドRライン」

9代目へモデルチェンジした新型パサートのパワーユニットは、ガソリンターボエンジンと、それがベースの各種ハイブリッド、合計8種類が用意される。今回はドイツでハイブリッドモデルの試乗する機会を得たのでリポートしよう。

ワゴン好きには見逃せない一台なりそう

モデルチェンジを機にステーションワゴンボディのみとなった新型パサート。スッキリとしたデザインのフロントマスクや伸びやかなルーフライン、スリムなLEDテールライトとそれを結ぶLEDストリップが実現するスタイリッシュなリアビューが実に好印象だ。

物理スイッチがほとんどないパサートのコクピット。これまでもクラストップクラスの広さを誇ってきたパサートの室内は、全長、ホイールベースともに拡大したことで、さらに余裕を増している。

旧型に比べて全長が130mm、ホイールベースが50mm延びたことで、後席は足を伸ばしても前席に届かないほど余裕があり、また荷室は車中泊でも困らない広さだ。

コクピットはフラットな液晶メーターと15インチのセンターディスプレイ、そして、シフトレバーをステアリングコラム横に移したことで大きく様変わりした。

試乗したのは、プラグインハイブリッド車のeハイブリッドRライン。1.5Lガソリンターボと電気モーターを組み合わせ、6速DSGにより前輪を駆動する。

始動時は自動的にEV走行モードに設定され、まずはそのまま走り出すと、BEVほどの力強さはないものの加速は十分。アウトバーンの合流でももたつくことはなく、130km/hまでならモーターだけで事足りるほどだ。

1.5Lエンジンと85kWのモーターを搭載。日本仕様ではエンジン最高出力が150psであるのに対し、この試乗車には177ps版が搭載されている。19.7kWhの駆動用バッテリーを搭載し、120km超(欧州値)のEV走行が可能だ。

一方、ハイブリッドモードに切り替えても発進はモーターが担当。その後、アクセルペダルを深く踏み込むとエンジンが始動し、力強い加速が楽しめる。モードによらず、走行中のキャビンが静かなのがうれしい。

試乗車には新開発のアダプティブシャシーコントロール“ DCCプロ”が装着される。

試乗車には新型の目玉技術といえる電子制御ダンパーのDCCプロが搭載されていたが、その実力は想像以上。走り出した瞬間から乗り心地は穏やかでしっとりとしていて、現行のフォルクスワーゲンでは間違いなく最高の快適さ。スピードを上げてからもフラットな動きを見せ、快適さと安定感を実に高いレベルで両立していた。

欧州仕様では最大11kWの普通充電に加えて、50kWの急速充電が可能だ。

走りも広さもワンランクアップしたパサート。ワゴン好きには見逃せない一台になりそうだ。

【SPECIFICATION ※欧州値】フォルクスワーゲン パサートeハイブリッド Rライン
■全長×全幅×全高=4915×1850×1500mm
■ホイールベース=2840mm
■トレッド=前:1577、後:1560mm
■車両重量=1830kg
■エンジン形式/種類=ー/直4DOHC16V+ターボ+モーター
■総排気量=1498cc
■最高出力=177ps(130kW)/5000-6000rpm
■最大トルク=250Nm(25.5kg-m)/1500-4000rpm
■モーター最高出力=115ps(85kW)
■モーター最大トルク=56Nm(5.7kg-m)
■トランスミッション形式=6速DCT
■サスペンション形式=前:ストラット/コイル、後:4リンク/コイル
■ブレーキ=前:Vディスク、後:ディスク
■タイヤ(ホイール)=前後:235/40R19
問い合わせ先=フォルクスワーゲン・グループ・ジャパン TEL0120-993-199

フォト=フォルクスワーゲン・グループ・ジャパン ルボラン2024年10月号より転載

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