ミスター・スカイラインが手掛けたローレル
ハイオーナーカーの先駆けとして、1968年に登場した日産ローレル。ある時期までのローレルは、ヨーロッパ車的なセンスの光る上質なモデルと、押し出しが強く派手で煌びやかなモデルの、どちらかに偏って変遷を続けてきた。前者の例としては、初代(C30)や六代目(C33)が挙げられるであろう。そしてまた、ここで採り上げる四代目(C31)も、その部類に属するモデルであった。
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C31型系ローレルは、1980年11月に登場している。二代目・C130からスカイラインと設計を一部供用してきたローレルであるが、このC31では、スカイラインでその名を広く知られる桜井眞一郎氏が開発責任者を務めたのも話題となった。ボディ形式は先代まであった2ドア・ハードトップが消え、4ドアのハードトップとセダンの2種類。押し出しを重視した先代とはガラリと変わって、空力の良さを思わせる滑らかなプロポーション(実際にCd値0.38がセールスポイントだった)が特徴であった。キャチコピーが「アウトバーンの旋風」だったことからも、何を重視したモデルかは分かるだろう。
この四代目でもやはりスカイライン(C210型系)とプラットフォームを共用しており、ローレルの方がホイールベースが延長されているのも従来同様だ(スカイライン2615mmに対しローレル2670mm)。サスペンションはフロントがストラット、リアは上級モデルがセミトレーリングアーム、中・下級モデルが4リンクとなる。
搭載エンジンは直列6気筒SOHCのL型がメインで、2.8LのL28E(最高出力155ps)、2LターボのL20ET(145ps)、2LのL20E(125ps)とキャブ仕様のL20S(115ps)の4種類があり、さらにディーゼル仕様のLD28(91ps)も存在。直列4気筒OHCもあり、こちらは2LのZ20S(110ps)と1.8LのZ18S(105ps)の2種類、さらにディーゼル仕様のLD20(65ps)もあり、合計で8種類となる。このうち、L20SとLD20の搭載車はセダンのみに設定されていた。
先進性と豪華さを売りとするハイオーナーカーらしく、このC31では、ローレル初のターボやECCS(エンジン電子集中制御システム)、オートレベライザーを採用。さらに世界初の装備としてタイマー付きパワーウィンドウ、足踏解除式パーキングブレーキ、日本初の装備としてフリーシートセッター(無段調整シートリフター)があった。
今はなきイマイの傑作キットが今もなお楽しめるという幸せ
このC31型系ローレルは、1/24スケールのプラモデル化はかつてのイマイのものが唯一であった。前期型のターボSGXを再現したもので、実車が新車だった当時にリリースされている。同社製キットの金型のいくつかはアオシマが引き継いで何度も再販を繰り返しているが、このローレルもその例に漏れず、嬉しいことに今も現役だ。現在の「ザ☆モデルカー」シリーズ版ローレルは、デカールの追加などによりターボSGXとターボ・メダリストとの選択式となっている。
ここでお目にかけている作品は、この旧イマイ/アオシマのキットを丁寧に仕上げたものだ。特に大きなモディファイはされていないのだが、フロントグリルやエプロンパネル形状を手直ししたり、室内にはシートベルトを追加したり、スエード(バックスキン)を敷き詰めてカーペットを表現したりといった、細かな配慮が随所になされている。こうしたひと手間によってグッと存在感が増すという好例として、じっくりとご覧いただければ幸いだ。
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