モータースポーツ活動を本格化させたA80
トヨタ・スープラの二代目(海外では四代目)にあたるA80型系は、1993年2月に発表、同年5月に発売された。北米市場を意識したロングノーズのファストバック・クーペという点では、初代以来大きな変化はなかったが、この世代ではGTカーからスポーツカーへと、その性格をシフトしていたことが特徴である。
【画像64枚】細部までスタイリッシュなトムス・スープラと、その制作工程を見る!
そのボディスタイルは丸みの強いもので、うねるような面構成を特徴とする。フェラーリF40を思わせる大型のリアウィングも目を引いた。直6エンジンのFR、そして4輪ダブルウィッシュボーンという点は先代同様であったが、エンジンは2JZ系に進化。3L DOHC24バルブの2JZ-GE(225ps)と、さらにツインターボを装着した2JZ-GTE(280ps)を搭載。サスペンションも形式は同じだが、完全に新設計されている。最強モデルのRZには、ゲトラグ製6速MTが採用されていた。
こうしたトヨタの”本気”を示すように、A80はモータースポーツでの活動を先代よりも本格化させる。ル・マン24時間参戦などはその最たるものであるが、最も注目を浴びたのはJGTC(全日本GT選手権)参戦ではないだろうか。1994年に参戦を開始し、3年後の1997年にはチャンピオンを獲得している。
参加初年度は2戦のみ出場であったが、翌1995年からは4チームからの参戦となって活動を本格化。この年から加わったトムス(TOM’S)チームは特に熱い戦いぶりを見せ、事実、1997年にチャンピオンとなったのもカストロール・トムス・スープラである。JGTC用のスープラは市販車の6気筒に代わって2.1L 4気筒ターボを搭載、その位置を大きく後退させて重量配分を最適化。同じ理由からドライバーシートの位置も大きく後ろに下げられている。サスペンションは一部にあのTS010のパーツが流用されていた。
ここでご覧いただいているのは、タミヤが1/24プラモデル化した1995年JGTCのカストロール・トムス・スープラを制作した作品である。これは、自動車模型専門誌「モデルカーズ」の286号、セリカXX/スープラ特集のために作られた作例だ。その詳細については、当該号にて掲載された作者・Ken-1氏による説明をお読みいただこう。
デカールの質を考慮してクリアーコートは慎重に!
「1990年代のトヨタ・レースシーンを象徴する赤/緑のカストロールカラーをまとった、トムス・スープラGT。今回の作例は基本的に素組みで、その象徴的なボディ周りのデカーリングに重きを置いています。1990年代初頭に発売されたこのキット、気がつけばリリースからもう30年近くの時が過ぎていることに愕然としますが、もうすでに圧倒的なクオリティがそこにあり、パーツの組み合わせや修正等のストレスはほとんど存在しません。
リアタイヤが少し奥まっている感じがしたので、ワッシャーを入れて微調整しましたが、そのまま組んでも満足のいく仕上がりとなるでしょう。別パーツとなるフロント・オーバーフェンダーの合わせの良さは、ちょっと感動モノでした。ですので、塗装前の主な作業は、ダクトの合わせ目修正、クリアーコートやディテールアップのためのなどの下準備となります。目指す完成のイメージを思い浮かべ、そのための作業を事前に仕込む見極めが重要かもしれませんね。
作例では、室内のパイピングやシートベルトの追加、外装部のリベットやミラーステーの金属線への置き換え、キャッチピンのエッチング/挽物パーツへの変更と、ダクト部の金属メッシュ貼り付けを施し、全体の印象向上を狙っています。
ボディカラーは、ガイアのピュアホライトにフィニッシャーズのスーパーシェルホワイトを2:1の割合で混ぜてエアブラシ塗装。最近のカラーは隠蔽力が高く、ホワイトでも楽に発色してくれて、場合によっては一度の塗装で白くするのも可能なのですが、それでも数度に分けて塗装を重ねるほうが、タレや色ムラなどの発生は少ないでしょう。特徴的なライトカバーはそのままでもいいのですが、あえてスモークブラックを軽く塗装し、少し締まった印象を与えるように工夫してみました。これにより、全体のスケール感を損なわない仕上がりになったのではないかと思います。
今回のデカールは素材的にクリアーコートが不安なものでしたので、いつもよりも慎重に、薄く、その分回数を多めに、そして乾燥インターバルを長く取りつつ進めていきました。そしてクリアーコートでの色抜けの恐れも非常に高いので、作業は普段よりもとにかく慎重に行うのがポイントとなります。それでも乾燥不足による肌荒れが発生しているので、できることなら1回のクリアーコートの度に丸1日以上インターバルを空けるのが理想かもしれません。
実際のところ、カストロールカラーのデカーリングは何気に難易度が高いものですので、人気の割に制作に躊躇されるという話も聞きます。今回の作例が皆様の制作への後押しとなれば幸いです」
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