充実装備が売りのエレガンスラインを投入
華やかさや派手さはないものの、ドイツらしい質実剛健さを地でいく造りが魅力のフォルクスワーゲン・パサートが、8代目となって初の大幅改良を受けた。今回の最大の目玉は、グレードの見直しや装備の充実による商品力の大幅な強化だが、もともと評価の高かった走りの質についてもさらなる進化を遂げていたのだ!
2015年夏に発売を開始して以来、プラグインハイブリッドのGTEや、パワフルかつスポーティな2.0R-ラインなど、新しい魅力を持ったモデルをその仲間に加えてきたフォルクスワーゲン・パサート/パサート ヴァリアントのラインナップに手が入れられた。今回、主眼としているのは基幹グレードの内容充実である。
これを機会に、改めてパサートをじっくりとテストして、進化のポイントを確認しつつ、その高く評価されている実力を再チェックしてみることにした。試乗したのは主にセダンのTSIハイラインだが、従来のTSIコンフォートラインに代わって新たに設定されたTSIエレガンスラインにも、適宜触れていきたいと思う。
パサートについて記す際には、いつもデザインの話から始めたくなる。高いクオリティが裏打ちした造形、そして美しさは、その大きなハイライト。ご覧の通り、フォルム自体はセダン、ヴァリアントともにこれぞ正統派と呼ぶべきものだが、実車を前にするとその姿は、思わず角度を変えて、あるいはいくつかの方向から眺め回したくなる強い力を放っている。
一番の見所は、やはりサイドビューだ。ドアノブを同軸上に置きながら前後に一気に通されたショルダーラインは、触れたら手が切れるんじゃないかというぐらいシャープ。その上下のパネル面の平滑さと相まって、周囲の光を取り込み印象的な表情をみせる。これを可能にしたのは、ボディ成形の圧倒的な技術力。シンプルに美しさを表現しようとするほど、クオリティが重要になる。
▲ヘッドライトは、従来のハロゲンから昨今の流行に則ったLEDとされ、視認性が向上。同じくLEDが採用されていたテールランプは、ダーク調の処理が施され精悍になった。
▲フロントグリルやサイドのリアのモールディング等には高級感溢れるクローム処理が施された。後席ウインドーには乗員のプライバシーを守るダークティンテッドガラスを装備。
上縁にクロームを配した横一文字のフロントマスクは、いい意味で繊細な仕上がりだ。TSIハイライン、TSIエレガンスラインには新たにLEDヘッドライトが装備されて、確かな夜間視界を確保したのはもちろん、シャープな眼光でハイテク感を高めている。
なお、やはりLEDを使ったダークテールランプ、クロームのエアインテークフレーム、サイド&リアモールディング、ダークティンテッドガラスといった装備は、TSIハイラインだけでなく、TSIエレガンスラインにも採用。高級感が高められた。
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