スタンス文化で際立つ“伝統芸”「BBS LM」

周囲の空気を一変させてしまうように鮮やかに攻めるM4カブリオレ。随所に新鮮さを宿しながらも、足もとを支えるのはBBSの伝統芸だ。こんな個性派をきっちりと引き立てるあたりBBS LMの底力を感じる。

あらゆる世界観をLMが受け止める

鮮やかなサンパウロイエローを纏うボディは、スイッチひとつでヤスマリナブルーをあしらったフルレザーインテリアが露わとなる。こんなに華やかなオーラを放つBMW M4カブリオレを、adro(エイドロ)製のエアロバーツで武装し、ボルドワールドのエアサスで車高をがっつりと落とす。いざ走らせれば、アクラポヴィッチの官能的なサウンドを伴いながら、車高を自在にコントロールできる足まわりがM4の痛快な走りをきっちり受け止める。スタンス系カスタムのトレンドセッターにして、多種多様な方向性の“改造”を得意とするNizo-Low(ニゾロー)らしい1台だ。

F:9.5J×20インチ(LM459)はG82/80型M4/M3用、R:10.5J×21インチ(LM462)はG80型M3用となる。M4のリア用としてはインセット違いのLM461もある。攻めたカスタムカーだけでなく純正車両にポン付けすることが可能だ。

さらにキモとなるのがホイールだ。こんなM4カブリオレであれば、ドレッシーなアメリカン鍛造ホイールを選びがちなところ、BBSの伝統芸であるLMを持ってきたところに注目したい。フロント9.5J×20インチ、リア10.5J×21インチという前後異型は、BMW Mパフォーマンスとして設定されるオプションホイールと同じサイズだ。LMに限らずBBS製ホイールは装着車種を想定して設計されるだけに、純正車両にそのまま持ち込める。それでも先のエアサスを含めたニゾロー独自のセッティングによってピタリとツライチに。純正設定にさらなる工夫を加えてここまで攻めた装いとするのがニゾローらしい。

基本的な姿形は不変のまま30周年を迎えた今も最前線にいるのがLMだ。

LMは今年で30周年を迎えるロングセラーモデルだ。そしてニゾローの代表取締役を務める岡崎隆徳氏の、チューナーとしてのキャリアはLMとほぼ同じ30年だという。いわばLMは同期であり、ともに育ってきたという特別な想いがある。だからこそデモカーはおろか自らの愛車にも率先してLMを投入してきた。

端正な10本クロススポークや円形に窪んだセンターパート、ディスクとリムとを繋ぎ止めるピアスボルトなどがLMらしい。

そんな岡崎氏はLMを“万能調味料”だと括る。どんなクルマやカスタムアプローチであっても、そこにLMを加えることでまるで固有の旨みが引き立つように、一段とカッコよくなるという。今回の例で言えば、ただでさえ濃厚な味を持つM4カブリオレで、さらに珍しい色をまとい、加えたアフターパーツのどれもが味は濃い。それでもチグハグな雰囲気にならず、ピシャリと一本のニゾロー節でまとまっているのは万能調味料たるLMのおかげなのだろう。もちろん料理人(チューナー)たる彼の腕前も欠かせない。

万能調味料といっても表層だけ味を寄せたり、また過度に濃い味でごまかすかのような化学調味料ではない。BBS持ち前の型鍛造製法を駆使して生まれるこの2ピースホイールは、見た目はおろか強度や剛性、軽量性といった性能面でも折り紙付きだ。防錆性を含めた長期的な信頼耐久性の高さも特筆できる。高性能ホイールだからこそ自然と宿る天然の味わいとでも言うべきか。単体でも充分すぎるほど輝きを放つLMを、さらに引き立てようとするニゾローのようなサードパーティがいれば、30周年なんてまだ序章に過ぎないのかもしれない。

【SHOP INFORMATION】

車種やカテゴリーを問わず車両販売からメンテナンス、カーケア、そしてカスタムまで請け負うワンストップ型のプロショップ。スーパーカーから国産旧車、そしてこのM4のようなスタンス系カスタムカーまでがずらりと並んでいる。

Nizo-Low ニゾロー

岡山県倉敷市黒石216-1
TEL086-441-4148 https://www.nizo-low.com
営業時間:10:00〜19:00 定休日:第1、3、5日曜日、毎週水曜日

 

フォト:白谷 賢 ルボラン2024年7月号より転載

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2024/05/27 12:00

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