アドバン・レーシングGTビヨンドは、“BEYOND”という名が体を表すかのように弛まぬ進化を続ける。今度は17インチの登場である。それはアバルトユーザーの心を捉えて離さない仕上がりを持っていた。
アバルトを見据えた絶妙なマッチング
シンプルな5本スポークながらも狙った車種を見据えながらコンケーブとディープリムを追い求めてマッチングさせる姿勢こそ、アドバン・レーシングGTの真骨頂だ。今ではポルシェやBMW勢、さらに国産スポーツカー界隈では定番かつ最高峰のスポーツホイールとして認知される。日増しに大径化するブレーキシステムを飲み込むためにバレルリム(樽型リム)を取り入れたGT BEYOND(ビヨンド)へと進化させるなど、名前が示す通り常に「限界を超えていく」ように開発の手を止めることはない。
今回、超えてみせたのは小径ラインナップの拡充である。性能とヴィジュアルを両立させるという意味では既存の18~21インチよりも難しいと思える17インチへ挑んだ。限られた容積のなかでアドバン・レーシングらしさを出すため、スポークデザインはストレート形状へと置き換えつつ、リムから急激にスポークを立ち上げて立体感を強調させた。スポークサイドの駄肉加工や、円形のセンターパートなど、どこを取ってもスポーティな意匠で、もちろん実性能にも抜かりはない。高品質なA6061アルミ合金を用いて、日本最高峰の技術を駆使した金型鍛造製法で生産することも、これら造形追求の支えとなる。
ひと言で17インチといっても、7.0J~10.0Jまで幅広く展開し、それに基づく4つのフェイスデザインと、4色のカラーバリエーションが設定される予定だ。さらにP.C.Dは国産車を想定した5×114.3、4×100が存在する。ホットハッチやライトウェイトスポーツカーの世界にもいよいよアドバン・レーシングGTが舞い降りてきた。
さらにコアなアバルトユーザーを満足させるためのP.C.D98にして7.5J×17インチ(+35)が用意される。今年の東京オートサロンでは、HKSの輸入車向けブランド「VIITS(ヴィーツ)でまとめたアバルト695に対して、このGTビヨンドが組み合わされた。お相手がホットハッチだからといってむやみやたらと辛口にしない、上質な“走り心地”を狙ったのがHKS渾身の車高調をはじめとした一連の製品群であり、それはGTビヨンドとも同じ方向を向いている。実際、フロント25mm、リア34mmほどローダウンされた車体に対して、ボディカラーと同系色のレーシングホワイトを纏うGTビヨンドは、まるでアバルト695への専用設計であるかのように溶け込んでいる。また、上質な“走り心地”を追い求めて、タイヤ銘柄はアドバン・フレバV701(205/40R17)である。ホイール側の強度や剛性、さらには軽量性といったホイール側の“高性能”は、結果としてタイヤのポテンシャルを最大限に引き出すことにもつながる。これならストリートで我慢なくホットハッチを味わえそうだ。
もちろん、よりスポーツ性能に特化したハイグリップ銘柄に履き替えて戦闘体制をとれば、サーキットマシンとしても充分以上の能力を持つのがHKS(ヴィーツ)らしさであり、GTビヨンドはそれを難なく受け止める。今まで1000psを軽く超えるようなモンスターチューニングカーを数多く支え続けてきた実績を持つアドバン・レーシングだけに、そこには絶大な信頼感が宿る。
ADVAN Racing GT BEYOND
◎サイズ/価格(税込)
17inch×7.0〜10.0J/価格未定
18inch×8.0〜10.5J/91,800円〜105,050円
19inch×8.0〜11.0J/107,800円〜123,200円
20inch×9.5〜11.0J/121,550円〜133,650円
◎カラー
マシニング&ハイパープラチナブラック、レーシングチタニウムブラック、レーシングコッパーブロンズ、レーシングホワイト
◎対応車種
メルセデス・ベンツ、BMW、アウディ、VW、アバルト等
問い合わせ先=YFC TEL︎03-3431-9981 http://www.yokohamawheel.jp/
取材協力=HKS TEL0544-29-1235 https://www.hks-power.co.jp