国産市販車唯一のV12を搭載
この記事の公開日は2024年4月18日。今から27年前の今日――すなわち1997年4月18日に発売された名車をご存じであろうか? トヨタの最高級フォーマルサルーン、センチュリーの二代目モデルである。
【画像9枚】威厳と風格に満ちた二代目センチュリー、その詳細を見る!
本題の二代目センチュリーに触れる前にそこまでの歴史を軽く振り返っておこう。戦後日本の自動車産業が著しい成長を見せるにつれ、政財界人が乗るのに相応しい、アメリカ製乗用車と互角の大きさやエンジンを持つ車種の誕生を望む声が高まったのだが、これに応えてトヨタが1964年にデビューさせたのは、当時のクラウン(二代目・S40型系)の幅と長さをそのまま拡大しV8エンジンを載せた、クラウンエイトだった。
そしてクラウンエイト登場から3年後の1967年、その地位を受け継ぐ新規車種として送り出されたのがセンチュリーである。この車名は、この年が創業者・豊田佐吉の生誕100周年であることにちなむ。クラウンエイトに対してセンチュリーは、その搭載エンジンが拡大版であること(2.6Lから3Lへ)以外つながりはなく、完全な新設計。全長5m超のボディは、当時のアメリカ車の雰囲気と和風ムードを巧みに融合したもので、コロナ以降のトヨタのテーマであったアローラインも取り入れられている。
初代センチュリーは長らく生産されたが、途中幾度か変更を受け、エンジンは3.4L、4Lへと順次拡大。1982年にはフロントにコーナリングランプを設けるなど、スタイルも近代化された。そして初代登場から30年、豊田佐吉生誕130周年にあたる1997年にデビューしたのが、二代目センチュリー(GZG50型)という訳である。
その開発テーマは「センチュリーのアイデンティティである『気品』と『安心』を深化させる」ことにあり、そのためボディスタイルは大きく変わっていない。クルマに詳しくない人には先代そのままに見えるくらいであった。重視されたのはむしろ「匠の技に裏付けされた工芸的手法」であり、それは例えば手彫り金型による鳳凰マーク、手作業によるボディパネル表面仕上げ、外板すべてに研磨仕上げを施した最大7層の多層仕上げによるボディ塗装などであった。
機構的な進化は、新開発のV12エンジンの搭載である。この1GZ-FEは、V型12気筒DOHC 4バルブ、排気量4996ccというスペックを持つもので、最高出力280ps、最大トルク49.0kgmを誇った。もちろん何よりも重視されたのはV12ならではの滑らかな回転や静粛性で、そのため斜めスキッシュ燃焼室やイリジウム電極点火プラグ、VVT-i(連続可変バルブタイミング機構)などが採用されている。また、ボディ同様にその製造工程にも手作業が取り入れられていた。
このV12エンジンに組み合わせられるトランスミッションは電子制御式4速オートマチックのECT-i、これにより伝達された動力で後輪を駆動する。サスペンションは前後ともエアスプリングを使用したダブルウィッシュボーン、”電子制御スカイフックエアサスペンション”。
安全対策やおもてなしも充実
ショーファードリブンがメインの高級車としては当然ながら安全対策は念入りに施されており、衝突安全ボディ”GOA”が採用されているほか、全席用エアバッグ(合計6基)、ABSおよびTRCなどを標準装備。また、V12エンジンは万一の場合でも片側バンクの6気筒のみで走行可能な設計がなされていた。
言うまでもなく後席のおもてなしは完璧なもので、まず、先代同様にドア開口部とフロアの段差を極力少なくするとともに、ルーフサイドレールの高さは70mm拡大され乗降しやすさを確保。さらにドア連動機能付シートスライド等の電動機能や、前席とは独立した温度設定可能なデュアルオートエアコン、シートバイブレーター、シートヒーターなどが標準装備されている。
当時の価格は925万円、デュアルEMVパッケージ装着車(エレクトロ・マルチビジョン)では987万円であった。これはいずれも東京・大阪地域の価格で、名古屋地域ではいずれも0.5万円安。またコラムシフト車とフロアシフト車で価格は共通、いずれも消費税別である。
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