ホンダから、新たなコンパクトSUV「WR-V」が登場した。インド生産ながら国内販売を想定していたということもあり、各部の品質は高く、スクエアなボディにより運転しやすいのも特徴。コストパフォーマンスに優れるのも魅力だ。
見切りも良く運転がしやすいのも魅力のひとつ
フィットのプラットフォームをベースに、ヴェゼルとはまた違うタフデザインで仕上げたコンパクトSUV「WR-V」。インド生産にして209万8800円からという価格設定がにわかに注目を集める一台を、ホンダの栃木プルービンググラウンドで先行試乗した。
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ラインナップは16インチのベーシックモデル「X」と、17インチで内装を豪華仕様とした「Z」、さらに外装まで洗練させた「Z+」の3種類。今回は17インチ車のみの試乗となったが、その足周りは全車共通で、パワーユニットも自然吸気1.5L直列4気筒(118ps)とCVTの組み合わせの1種類。「ハイブリッドが欲しいならヴェゼルで」という割り切りが、お手頃価格を実現する秘訣だ。
WR-Vで特筆したいのは、なんと言っても見切りの良さだ。ドア上端のベルトラインから一直線に続く切り立ったボンネットの峰のおかげで、思わずためらうような狭い路地でもきっちり幅寄せして走り切ることができるのだ。ちなみにその最小回転半径は、5.2mという小ささである。
電動パワステの操舵感は、イマドキのコンパクトカーからするとちょっと重めか。しかしそれゆえに高い車高でも、コーナーで操舵を安定させやすい。個人的にはこの確かな操舵感と合わせてもう少しフロントサスの剛性を上げたいと感じたが、その分荒れた路面でも乗り心地が保たれている。開発当初から日本市場を視野に入れ、かつアジアの路面を走り抜くタフさを持ったシャシーだという。
対するリアシートは、アップライトな着座位置のおかげでレッグスペースが広く、クッションの厚みがそのややソリッドな突き上げを上手に和らげている。
特筆その2はi-VTECエンジンで、CVTとの連携が巧みに実用トルクを引き出した上で、踏めばこれが爽快に吹け上がる。そのサウンドはほどよく高周波を抑えており、これぞホンダ! の出来映え。ちなみにインド仕様には6速MTもあり、限定モデルでよいからこれを出すべきだと思えた。
ヤリス・クロスも兄弟車ヴェゼルも、都会派のコンパクトSUVだ。若々しいフリースタイルギアを目指すWR-Vは、また違ったユーザー層を獲得するだろう。
【Specification】ホンダ・WR-V Z+
■車両本体価格(税込)=2,489,300円
■全長×全幅×全高=4325×1790×1650mm
■ホイールベース=2650mm
■トレッド=前:1540、後:1540mm
■車両重量=1230kg
■エンジン型式/種類=L15D/直4DOHC16V
■内径×行程=73.0×89.5mm
■圧縮比=10.6
■総排気量=1496cc
■最高出力=118ps(87kW)/6600rpm
■最大トルク=142Nm(14.5kg-m)/4300rpm
■燃料タンク容量=40L(レギュラー)
■燃費(WLTC)=16.2km/L
■トランスミッション形式=CVT
■サスペンション形式=前:ストラット/コイル、後:トーションビーム/コイル
■ブレーキ=前:Vディスク、後:ドラム
■タイヤ(ホイール)=前後:215/55R17
問い合わせ先=本田技研工業 TEL0120-112-010
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