【国内試乗】ディフェンダー90のディーゼル版も追加されラインナップも充実! 先進と伝統の見事な融合「ランドローバー・ディフェンダー130/90」

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そのレトロモダンなルックスに、卓越した悪路走破性能を実現していることで、デビュー当初から一躍人気モデルとなった2代目ディフェンダー。2024年モデルでは「90」に待望のディーゼルモデルが追加され、ラインナップが拡充されている。ここでは「130」とともに、改めてディフェンダーの魅力を再検証してみたい。

プレミアムを気取るかタフギアとして使い倒すか

愛らしいフロントマスクとボクシーなデザインでたちまち人気を博したディフェンダー。そのバリエーションにディーゼル仕様のショートボディ「90」がこの度加わり、これをシリーズ最大のロングボディとなる「130」と共に試した。並べてみるとまるで親子のような2台だが、実際その走りもキャラクターの違いが際立つ、とても興味深い試乗となった。

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LAND ROVER DEFENDER 90 X-DYNAMIC HSE D300

ということで早速ディフェンダー90のチャームポイントだが、その乗り味がより“らしく”なった。要となるのはロングボディに対して435mmも短いホイールベースを、3L直列6気筒ディーゼルエンジンで走らせる身のこなしの軽やかさだ。本格オフローダーという性格から基本的な操舵応答性はゆったり系だが、剛性の高いショートボディが、操作に適度なアジリティを与えている。かつそのハンドリングが、実に素直である。

上級モデルの「X」グレードには、レザー素材がふんだんに採用されるなどラグジャリーな雰囲気満点。

1995mmの全幅は確かにワイドだが、コマンドポジションがおりなす視界で見切りがよく、650Nmのトルクを使えば、その巨体を子象のように走らせることができる。4輪の駆動制御は自然で、旋回中にアクセルを踏み込んでいってもスムーズにトルクを裁きながら、前に前にと進んでくれる。

ロングボディに比べ小刻みな前後ピッチングは目立つが、それすら“らしさ”に思えてしまう。試乗車はエアサスを搭載していたが、経済性や耐久性、そしてこの快活なキャラクターを考えると、コイルサスでもいいと思う。4枚ドアの利便性は諦めねばならないが、フロントシートを倒せばリアシートへのアクセスも意外とイージー。ラフに楽しむならセンタートンネル側から、ひょいと後ろへ飛び移ることもできる。多少汚れたって、へっちゃら。そんな使い方こそが、ショートボディには似合っている。

2列目シートは足元のスペースも広く、長距離移動も快適だ。

その出足にモーター(13kW/42Nm)の力を感じ取れないのは残念だが、低中速域がトルキーなだけでなく、回すほどにパワーが漲る直列6気筒ディーゼルターボは、ショートボディの最適解。ファミリーカーとしても使えるが、積極的に3ドアの楽しさを漫喫して欲しい。90はスポーツカーとはまた違う方法で、人生をワクワクさせてくれる一台だ。

3列目シートが特徴の130だが、’24年モデルから2列シート5人乗り仕様もラインナップされている。

対する130は、当然ながらそのロングボディ効果によって、乗り味がグッと大人びている。標準装着されるのは90同様オールテレインタイヤだが、2540kgの車重が路面からの入力をどっしりと抑え付け、段差でもロングホイールベースとエアサスの連携が、車体の揺れや雑味を和らげてくれる。もしこれで普通の夏タイヤを履いたら、かなりプレミアムな乗り心地が得られるだろう。

LAND ROVER DEFENDER 130 X D300

驚いたのは90より200kgも重たいボディにも関わらず、その加速に物足りなさを感じなかったことだ。ちなみに燃費は約113kmを走って9.6km/Lと優秀だった(90は11.7km/L)。
また走りも優秀で、コーナーではきれいなダイアゴナルロールを作り出し、安定してクリアする。

最高出力300ps、最大トルク650Nmを発生する3L直6ディーゼルターボユニットは、豊かな低速トルクの恩恵で、2トンオーバーのボディを軽々と走らせることが可能だ。

2列目シートを倒すだけで、スムーズに3列目へとアクセス可能。3列目シートは座面がやや小ぶりだが、座り心地もよくヘッドクリアランスも握りこぶし縦ひとつ分確保されている。またこのシートを倒せば、段差はあるが1329Lの容量が確保できる。
ドアを開けば瞬時に飛び出す電動ステップの周到さや、質感高い内装と合わせてそのキャラクターは、プチ・レンジを気取れる出来映えだ。ただ個人的にはプレミアムトリムより、タフギアの方がディフェンダーには似合うと思う。これが中間の110になればちょうど良いのかというとまた違うから、クルマ選びは悩ましい。

【SPECIFICATION】LAND ROVER DEFENDER 130 X D300
■車両本体価格(税込)=14,030,000円
■全長×全幅×全高=5275×1995×1970mm
■ホイールベース=3020mm
■車両重量=2540kg
■エンジン種類=直6DOHC24V+ターボ
■排気量=2993cc
■最高出力=300ps(221kW)/4000rpm
■最大トルク=650Nm(66.3kg-m)/1500-2500rpm
■モーター最高出力=13kW/5000rpm
■モーター最大トルク=42Nm/2000rpm
■トランスミッション=8速AT
■サスペンション形式=前:Wウイッシュボーン、後:マルチリンク
■ブレーキ=前後:Vディスク
■タイヤサイズ=前後:255/60R20

【SPECIFICATION】LAND ROVER DEFENDER 90 X-DYNAMIC HSE D300
■車両本体価格(税込)=9,550,000円
■全長×全幅×全高=4510×1995×1970mm
■ホイールベース=2585mm
■車両重量=2340kg
■エンジン種類=直6DOHC24V+ターボ
■排気量=2993cc
■最高出力=300ps(221kW)/4000rpm
■最大トルク=650Nm(66.3kg-m)/1500-2500rpm
■モーター最高出力=13kW/5000rpm
■モーター最大トルク=42Nm/2000rpm
■トランスミッション=8速AT
■サスペンション形式=前:Wウイッシュボーン、後:マルチリンク
■ブレーキ=前後:Vディスク
■タイヤサイズ=前後:255/60R20

問い合わせ先=ジャガー・ランドローバー・ジャパン TEL0120-18-5568

【ANOTHER RECOMMEND】ジープ・ラングラー
ヘビーデューティなSUVという起源を持ちつつ、それを頑なに継承しているラングラー。その無骨なスタイルはファンも多く、今なお人気のモデルだ。現行モデルは4ドアのアンリミテッドのみがラインナップされている。

 

リポート=山田弘樹 フォト=篠原晃一 ルボラン2024年1月号より転載

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2024/01/06 11:30

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