骨太なボディで安心感UP

Y32型セドリック・グランツーリスモ・アルティマのアオシマ製1/24スケール・プラモデルをベースに、同V30ツインカムターボ・ブロアムへと改造した作品については、前編の記事（下の「関連記事参照」）にてすでにお伝えした。ここでは、実車のY32型系セドリック（／グロリア）について触れておこう。

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セドリックとしては八代目、グロリアとしては九代目となるY32型系は、1991年6月に登場した。先代Y31型系のフルモデルチェンジという形であるが、4ドア・セダンとワゴン／バンはマイナーチェンジに留まり（後者は先々代Y30からのキャリーオーバーである）、新型となったのは4ドア・ハードトップのみであった。基本が5ナンバー・サイズであった先代までとは異なり、全車3ナンバー・サイズのボディとなったのが特徴である。

そのボディフォルムは日産自ら「安心感のあるシルエット」と表現するように、がっちりとした硬質感のあるもの。開発テーマの第一に「高い安全性」を掲げている通り、Bピラーを設けたピラードハードトップ・ボディに改められたのも特筆すべき点だ。先代から設定されたスポーティモデルのグランツーリスモ系には、丸4灯ライトを装着した専用のフロントマスクが与えられ、外観の一層の差別化が図られた。一方、ブロアム／クラシック系のフロントマスクは、角型ヘッドライトと横長グリルの重厚感ある顔つきが採用されている。

搭載されるエンジンは、V6 3LツインカムターボのVG30DET（最高出力255ps）、同ツインカムのVG30DE（200s）、同シングルカムのVG30E（160ps）の合計3種類が、ブロアム系とグランツーリスモ系の共通ユニットとなる。

ブロアム系のグレードを搭載エンジンとともに紹介していくと、まずVG30DETを積むのが、最高グレードであるV30ツインカムターボ・ブロアムVIP／ブロアムVIP Cタイプ／ブロアムG／ブロアムの4種。VG30DEはV30ツインカム・ブロアムの1種のみ。VG30EもV30Eブロアムのみとなるが、こちらにはクラシック系の2種（クラシックSV／クラシック）も設定されていた。

エンジンはこのほか、クラシックSV／クラシック用のVG20DE（2Lシングルカム）、この2グレードだけでなくブロアムにも設定のあるRD28（2.8Lディーゼル）の2種類があったが、こちらはグランツーリスモ系には採用されていない。サスペンションはフロントがストラット、リアがマルチリンクで、最高グレードであるブロアムVIPには電子制御エアサスペンションが採用されていた。

マイナーチェンジでグレード構成を整理
1993年6月にはマイナーチェンジが実施され後期型へ移行。テールランプにバックランプが一体化され3色3段のデザインとなった他、ブロアム系はヘッドライトとフロントグリルを分離しライトを横長な形状に変更、グランツーリスモ系はフロントグリルの上部コーナーを鋭角的にするなど、些細なデザイン変更が施されている。

この時の大きな変化としては他に、グレード構成の見直しが挙げられる。ブロアム／クラシック系がブロアム系へと一本化されたのである。それまでのクラシックSVはブロアムに統合され、ベースグレードであるクラシックがブロアムJに名称を変更したものと理解すれば分かりやすいだろう。また、VG30DET搭載車には、AVシステムを標準装備したブロアムVが設定されている。

この1年後にあたる1994年6月には、運転席用SRSエアバッグやABSなどの安全装備を充実させたSパッケージを追加。これはV30ツインカムターボ・ブロアム、V30ツインカム・ブロアム、V30ツインカムターボ・グランツーリスモ・アルティマ、V30ツインカム・グランツーリスモSVの、合計4グレードに設定された。そしてその約1年後、デビューから丸4年後にあたる1995年6月にはフルモデルチェンジを実施、セドリック／グロリアはY33型系へと移行したのである。

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