チェイサーならではのスポーツ性がここに極まった
1977年にX30/40型系マークⅡの兄弟車として誕生したトヨタ・チェイサーは、当初はマークⅡよりも外装をスポーティに装っただけの双子車に過ぎなかったが、代を追うごとに差別化が進められていった。
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1996年に登場した6代目・X100型系では前後オーバーハングが短縮され、前席ヒップポイントが下げられるなど、歴代でもっとも走り成分の濃いスペックに到達。そのラインナップの中で特にスポーティなツアラー/ツアラーS/ツアラーVをベースに、TRD(トヨタ・レーシング・デベロップメント)のエアロパーツ一式を装着した特別仕様が、チェイサーTRDスポーツである。
あくまで外装のみのコスメティック・チューンに過ぎないが、最強グレードのツアラーVにTRDローダウン・サスペンションや同ハイパフォーマンス・ブレーキ・システムなどを追加すれば、見た目に恥じない高性能なスポーツセダンが完成するという寸法だ。1998年当時トヨタ・ディーラーでこんな過激なルックスの4ドアセダンを正規に購入できたというのは、なかなか衝撃的ではあった。TRDスポーツとして販売された実車は約3000台にのぼり、トヨタの乗用車系特装車としては最多とされている。
良好なキット内容も細部に手を入れればさらに素晴らしく
アオシマ1/24プラモデルのチェイサーTRDスポーツはかなり久々の再販だ(注:作例制作時、2018年のこと)。実車のTRDフルエアロは前期型(1997)と後期型(1998)の2種類があるが、キットのエアロパーツは後期型を再現している。フロントバンパーはそっくり差し替えで、ボディとの合わせは良好だが、側面の形状に違和感があるため、下端を削り込んで修正した。サイドシル・スポイラーはボディに被せて取り付けると馴染みが悪く、横に突出してしまうので、ボディからサイドシルを切り離し、そっくり入れ替えるように接着。リアバンパースポイラーは厚みが目立たないように上端部を削り込んで薄くしてから取り付けている。
ホイールは純正オプションのTRDスポーツT2を再現しているが、18インチ相当なので実車よりも大きめだ。ブレーキは残念ながらTRDではなくブレンボだが、キャリパーケースを赤く塗るとTRDハイパフォーマンス・ブレーキに似て見えるので、ヨシとしておこう。サスペンションはローダウン仕様に差し替えられているが、そのまま組むと後輪に非常に強いネガティブキャンバーがついてしまう。ブレーキの取付けを調整してロードカーらしい角度に修正した。
TRDチェイサーの外装色はスーパーホワイト、ホワイトパールマイカ、ダークグリーンマイカM.I.O.の3色だが、このうちホワイトパールマイカは後期型のみに設定があった。作例はこれをイメージして、ガイアカラーEXホワイトの上にMr.クリスタルカラーのダイヤモンドシルバーを吹き重ねて仕上げた。
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