トランザム誕生前夜!「1968年型ポンティアック・ファイアーバード」をレベル製プラモで堪能する【モデルカーズ】

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安定の2年目を迎えたGMポニーカー

今ではその存在が消えてしまってから大分経ってしまったが、アメリカン・スポーティカーの代表例と言えば真っ先に名前が上がったのが、ポンティアック・ファイアーバードであった。その初代モデルの登場は1967年2月のこと。シボレー・カマロの兄弟車ながら、それより若干遅れてのデビューである。

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当初はコルベット的なピュア・スポーツカーとして構想されたともいうが、紆余曲折を経て、フォード・マスタングを迎え討つポニーカーとしてのデビューとなった。ファイアーバードはカマロとプラットフォーム(Fボディ)を共用し、外板の一部もカマロと共有するが、ボディ前後は独自のデザイン。シンプルなルックスのカマロに対し、ファイアーバードはフルサイズモデルの2+2やグランプリなどと同じモチーフ(バンパーと一体の2分割グリルやスリット状テールレンズなど)を盛り込んで、ポンティアックらしさの演出に成功している。ボディはクーペとコンバーチブルの2種類があった。

エンジンは直6とV8の2種類があり、スタンダード・モデルは直6を搭載する。これはシボレーのOHVをベースにヘッド周りを変更してOHCとしたもので、経済性ではなく性能を重視した6気筒という、アメリカでは珍しい方向性のエンジンと言えよう。排気量230-cid(3.8L)、最高出力165hp。モデル・オプションとしてスポーティな“スプリント”も存在し、こちらには、同じ直6に4バレル・キャブを装着したユニット(215hp)が組み合わされる。

このほか“326”、“326-HO”、“400”というモデル・オプションもあり、これらはいずれもV8を搭載。326には326-cid(5.3L、250hp)、326-HOには同じエンジンの4バレル・キャブ仕様(285hp)、400には、これも名前通りの400-cid(6.6L、325hp)が搭載されていた。

翌1968年型のファイアーバードは、基本的には前年型に細部の変更を加えたのみのモデルとなっており、2種類のボディ形式にも変化は無い。外観で大きく目立つのは、フロントバンパー下のターンシグナルがコーナー部分へと移動した点。これは法規の改正(サイドマーカー装着の義務付け)にもとづくもののようだ。また、三角窓が廃止されたほか、リアのリーフスプリングが多板式(前年は1枚リーフ)に変更されている。

エンジンは400を除き全て排気量を拡大。直6は250-cid(4.1L)となり、標準モデルでは最高出力175hp、スプリント用の4バレル・キャブレター仕様では215hpにパワーアップしている。V8は前年の326-cidから350-cid(5.7L)へと変更され、最高出力は“350”用の2バレル・キャブ仕様で265hp、“350-HO”用の4バレル・キャブ仕様で320hp。400-cidは330hpに出力アップしているほか、“ラムエア400”という新たなパッケージもシーズン途中で登場。専用の400-cidエンジンは335hpに強化され、ボンネットにエアスクープ(もちろん実際に機能するもの)が設けられている。

ファイアーバードと言えば真っ先に思い出されるトランザム(ファイアーバード自体をトランザムと勘違いしている人も少なくない)がハンドリング・パッケージとして加わるのは、初代最後の年式となる翌1969年型のことである。

出来の良いキットだけに各部のすり合わせなどには充分な配慮を
初代ファイアーバードはMPCがプロモを担当しプラモデルもリリースしており、今では貴重なアイテムとなっている。1968年型のみはamtも当時キットを発売しているが、カスタム仕様となっていた。ここでご覧いただいているのは、21世紀に入ってからレベルがリリースした、1968年型ファイアーバード・ラムエア400の1/25スケール・キット(No.2342)を完成させたものである。以下、作例の作者・周東氏による解説をお読みいただこう。

「2001年にリリースされたこのキットは、“400”のストックとドラッグ・バージョンが作れる2 in 1となっており、ボンネット、タイヤ、ホイールが2種類用意されている。ボディはフォルムも良く、エンブレム等のモールドも良好だ。作例ではルーフサイドのプレスラインがハッキリしすぎている(カドが立ちすぎている)感じだったので、紙ヤスリで修正を行っている。また、ドアライン等は少し深く彫り直した。

リアパネルは説明書では後付けとなっているが、フィッティングが良くないので調整のうえボディへ先付けしてから塗装したほうが良い。ただし、ボディの絞り込みがきついクルマなので、先付けした場合はシャシーのホイールハウジング等を削らないとセットが難しくなるので注意が必要だ。また、リアライトのスリットは細くきついので、慎重に削って拡げてあげる必要がある。ターンシグナルライトもフィッティングが良くないので調整しなければならない。ワイパーはボディにモールドされているが、出来れば別パーツと交換したいところだ。

インテリアはセンターコンソールを使用する場合、フロアにモールドされたシフトゲートトリムを削らないとうまく収まらないので注意。他はモールドもメリハリが利いていて合いも良く、問題なく作ることができる。シャシーは特に問題ないが、エキゾーストのマフラー部の合いが良くないので、仮組み調整は十分に行なおう。車高、トレッドともに今回は手を加えていない。ホイールアーチとタイヤの間が少し開きすぎているように感じたが、実車写真を見るとこのくらい開いている。エンジンは問題なく作れるが、スタータ等が一体モールドとなっていて形も良くないので、できれば交換したいところだ」

作例制作=周東光広/フォト=羽田 洋 modelcars vol.180より再構成のうえ転載

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2023/06/17 17:40

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