10年以上生産されイメージを決定づけた二代目
1967年2月、シボレー・カマロの兄弟車ながら、それより若干遅れての登場となったニューモデル、ポンティアック・ファイアーバード。当初は純粋なスポーツカーとして構想されたともいうが、紆余曲折を経て、フォード・マスタングを迎え討つポニーカーとしてのデビューとなった。
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ファイアーバードはカマロとプラットフォーム(Fボディ)を共用し、外板の一部もカマロと共有するが、ボディ前後はそれぞれ独自のデザイン。シンプルなルックスのカマロに対し、ファイアーバードは二分割フロントグリルなどでポンティアックらしさを演出していた。エンジンは直6とV8の2種類を用意。こうして世に出たファイアーバードは、登場4年目の1970年型においてフルモデルチェンジを実施した。兄弟車のカマロと同様に発売は1970年2月へとずれ込み、このため同年型は1970 1/2と呼ばれる。
ボディ形式は、初代にあったコンバーチブルは消えてクーペのみ、やはりカマロと共通のファストバック・スタイル。しかし、先代同様に二分割のフロントグリルと、細長いテールレンズを持つリアスタイルが、カマロとの外観上の差異である。グレード構成はベースモデルを基本に、下からエスプリ、フォーミュラ、トランザムの計4種類。カマロには2種類のフロントマスクがあったが、ファイアーバードではそのようなことはなく、フロントマスクのデザインなどは4モデル共通である。
1974年型においてフロントをスラントノーズとする変更を受けることとなるが、それまで毎年の外観上の違いは小さなもので、1970、1971年型ではグリルパターンが格子であったのに対し、1972年型ではハニカムとなり、1973年型では格子パターンに再び戻されている。最強モデルのトランザムではシェイカー・フードやエアダムが装備されるのに対し、フォーミュラは細長いエアスクープをボンネット上に2つ具えるのが特徴だ。
1972年型ファイアーバード・フォーミュラの搭載エンジンは全てV8で、160hpの350-cid(5.7L)が標準ユニット、オプションとして250hpの400-cid(6.6L)、300hpの455-cid(7.5L)の2種があり、それぞれフォーミュラ350、同400、同455の名で呼ばれる。350と455は1971年型から加わったエンジンで、1970年型では400のみであったが、これは初代から引き継いだラムエア仕様だった。なお、455-cidはトランザムと共通のエンジンである。
ナイスプロポーションなキットを足元一新でよりグレードアップ!
さて、ここでお目にかけているのは、MPC製1/25スケール・プラモデルの1972年型ファイアーバード・フォーミュラを制作した作品である。同社は当時ファイアーバードの公式プロモーショナルモデルを作っており、本キットもベースは1970年型のプロモと思われる。プロポーションに大きな問題はなく、再現の難しそうなヘッドランプ周りの形状も良好だ。
制作に関して、より完成度を高めるポイントをいくつか挙げてみよう。シャシーはプロモとは別の金型だが、インテリアとの相性がいまひとつだ。車高が少し高くなってしまうので、インテリアの底とシャシーの一部を削り、合わせを改善した。さらに、ダッシュボードもフロントウィンドウと干渉する。作例ではウィンドウの内側に合わせて、ダッシュをかなり削り込んだ。前輪シャフトはプラ製で少々不安があるので、1.6mm径の洋白棒に替えている。
ボディ周りでは、前半部分のパーティングラインが、Aピラーからフロントフェンダーの峰を経由して、フロントグリルにかかっている。このパーティングラインを取り除く際は、微妙なキャラクターラインを崩さないように注意したい。エンジンフードの開口部は一部ラインが乱れているところを修正した。フードのエアスクープ開口部も、パーツのすり合わせが必要だろう。フードを開けると、ファイアウォール上面に何もない。この部分はAMTの1970年型カマロからパネルごと切り取って移植した。
ボディ後部、リアバンパーの部分はボディ側に大きな開口部があるが、実際の形状とは大分異なる。開口部をパテで埋めて実車のようなスムーズな面を再現した。バンパーは両サイドを薄く削ってボディとフィットさせ、再メッキ加工を施している。
今回はホイールとタイヤをディテールアップした。ホイールはトランザム仕様でポピュラーなハニカムタイプ。プラキットでは見当たらないパーツだが、eBayで検索した結果、アメリカで作られたレジン製ホイールが見つかったのでこれを入手、作例ではメッキ加工を施し、外周とセンターを残してダークシルバーに塗装してある。タイヤはAMTがリリースしたグッドイヤーのポリグラスGTのタイヤセットから、F60-15をチョイスした。