そろそろ新たなキット化があってもいいかも…?
日産スカイラインの六代目・R30型系、特に、DOHCを搭載したRS系のモデルについては、前編の記事(下の「関連記事」参照)においてすでに述べた。ここでは、そのプラモデル化に関して、特に作例についての説明も意識しつつ述べていこう。
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R30型系スカイラインは模型業界でも人気の的となり、数多くのプラモメーカーがキットをリリースした。1/24スケールでのキット化がやはり多く、タミヤやフジミ、アオシマ、日東、オオタキ、ニチモ……といった各社から発売されている。RSだけでなく、ボディを共用してGT系のモデルもリリースする例が少なくなかったが、特にタミヤは、4ドア・セダンと2ドア・ハードトップの両方を製品化したのが特筆される。
中でも、最も多くの金型を起こしたのはアオシマであろう。まず最初にリリースした1/24キットは『西部警察』のマシンRS仕様に改修され、同シリーズでマシンRSがマシンRS-3に改修されると今度はRS-1/RS-2用に新たな型を起こしている。そして後期型・鉄仮面のキットもリリース。さらにはスーパーシルエット仕様もキット化しているのだから、ただごとではない。1/32スケールでは、やはりアオシマが『西部警察』仕様として製品化しているほか、グンゼ(現GSIクレオス)も4ドア・セダンを再現している。
前編で「この頃終焉を迎えつつあった」と述べた1/20スケールに目を転じると、バンダイが4ドアのRSをリリースしており、これが前期RSのエンジン再現キットとしては唯一のものである。これは最初ただのRSとしてリリースされ、実車にターボRSが追加されると、キットもターボ仕様に改められた。エンジン周りのパーツもきっちりとターボ仕様に変更されているところが素晴らしい。
同スケールでのキット化は他にエルエスの2ドア・ハードトップがあった。これはエンジンなしのプロポーションモデルで、一部のパーツ割りがほんのすこし細かい他は、1/24スケールをほぼそのまま拡大したような内容である。当初、ただのRSとターボのGTで発売されたが、これも実車に合わせてターボRSへと仕様変更。そして後期型のRS-Xとなったのち、金型はアリイ(現マイクロエース)に引き継がれた。マイクロエースからの再販は、しばらくお休みとなっているようである。
ポンと合体!という訳にはもちろん行くはずもなく……
作例として制作された1/20スケールのキットについて、より詳しいところを述べていこう。まずエルエスの2ドアだが、同社製品の特徴としてはやはり、ボディの幅が広めにデフォルメされている、ということがあるようだ。それ以外は、かつてボディ形状の良さを誇った同社だけに、側面形なども非常に良い雰囲気である。そこで、作例ではボディを中央で切断し、幅を2mmほど詰めた。1/20スケールでの2mmは微妙な違いではあるが、やはり完成した姿は格段に良くなった。ただし、グリーンハウス側面が内側に倒れすぎではないかという気もする。
バンダイ製のセダン・ターボRSからはシャシーとホイール、エンジンなどを流用して、フルディテールモデルとした。この頃の1/20モデルは簡略化が進んでおり、かつてのようなドア開閉ギミックはなく、エンジン周りの省略も甚だしいものとなっていたが、このDR30はどういう訳かエンジン周りの再現が細かく、補器のパーツ化も多い。ファイアーウォールなどもただの平面ではなく、プレスパターンや配線の類がきちんとモールドされている。この合体のおかげで非常に見応えのある作例とすることができた。
作例のインテリアはバンダイとエルエスの混成となっている。ドア内張りやフロントシートはエルエスのパーツを使用。後席部分の内張りなどは、ベンチレーターなどもモールドされていて非常に良い感じである。幅を詰めたため合わなくなったダッシュボードとリアシートは、バンダイのものに交換。セダンと2ドアでは、実はリアシートの形状に違いがあるので(2ドアではトランクスルーが標準となるためである)、モールドを追加して2ドア用のシートを再現した。
バンダイのキットは非常に良い内容を持つものなのだが、ボディ形状にはエルエスと違った意味で若干の難点がある。エッジのシャープさに欠けるため、R30らしい硬質な印象に乏しいのだ。これはペーパー掛けで面を整えて解消することもできるだろう。そのほか、フロントマスクが妙に台形過ぎるのと、ヘッドライト内部のパーツのリアリティに乏しいことも気にかかる。逆に言えば、このあたりに手を加えると、非常に素晴らしい4ドアRSを完成させることができるのではないだろうか。貴重なキットをお持ちの方はぜひ制作に挑戦していただきたい。
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