ボクらのヤングタイマー列伝:第47回『フォルクスワーゲン・サンタナ』日産によりノックダウン生産された異色のセダン

いつか乗りたいと思って気がついたら手元に……って、スカイラインと同じパターンじゃないですか!

前後オーバーハングが長い独特のプロポーション。窓が大きいのは1980年代車の美点。

“このコーナーでも前に拡大版構成だった時あるよね、あの時は筆者が7thスカイラインに乗るようになったときだよね”と思い出した方もいらっしゃるかも? そうこの構成になるのは、何かがボクに起きた時(笑)。今回取り上げたVWサンタナも、ズバリ昨年末、新たに手元にやってきたクルマなのです!(執筆時) 小学生のとき家のクルマがアウディ100(C2)だったこともあって、サンタナは憧れの1台。その思いはオトナになっても変わらず、いつか乗りたいと思っていたところ気がついたら手元に……って、スカイラインと同じパターンじゃないですか!(笑)

そもそもサンタナとは前述のように、2代目パサート(B2)のセダン版でした。初代から2代目まで、パサートはハッチバックとバリアントのみで、セダンがなかったのです。サンタナとして独立するにあたり、フロントグリルとヘッドライトを別デザインに変更しています。サンタナは世界戦略車という位置付けでもあったので、日本、ブラジル、中国などで現地生産が行われました。ブラジルには2ドア版が存在したほか、VWとフォードの合弁企業『アウトラチーナ』では、サンタナを『フォード・ヴェルサイユ』として発売していました。中国では2007年までほぼそのままで生産されたのち、『サンタナ2000』、『サンタナ3000』、『サンタナ・ビスタ』と小刻みに進化して2012年まで作られました。メキシコでは『コルサール』として、アルゼンチンでも『カラット』なる名前で生産を行なっていました。なお本国では早々に『パサート・サルーン』と改名したのですが、海外ではサンタナの名称を継続しました。

【写真10枚】乗りたいと思っていたら、いつまにか手元に! フォルクスワーゲン・サンタナの詳細を写真で見る

日産ではサンタナに『M30』という日産独自の型式を与え、1984年に3種のVW製エンジン(1.8リッター直4、2リッター直5、1.6リッターディーゼルターボ)と6グレードを擁して発売を開始、翌年には専用アルミホイールやスポーツシートなどで装ったスポーティ版『アウトバーン』を追加しています。1987年のマイナーチェンジでは顔が本国パサートと同じに揃えられ、140psを発生する直5DOHCエンジンを搭載。燃費計を日本的なkm/リッター表示に変更するなど、小刻みなアップデートを繰り返しました。しかし販売数は残念ながら上向かないまま1989年に生産を終了。やがて、日産とVWの関係も終焉に向かっていくのです。

購入したのは、1988年型『Xi5アウトバーンDOHC』という最上級グレード。ワンオーナーで車庫保管だったらしく、塗装と樹脂類には多少のヤレがあるものの、内装は”これ新車!?”というレベル。走行距離は3万kmにすら達していません。DOHC は足が固められているため、サンタナの特徴だったソフトな乗り心地と比べると路面からのショックを拾いやすく、追ってダンパーも替えてみたいところです。マフラーは穴が空いていたので日産から購入して交換しました。というかまだ部品が出るんですね。今のところ大きな問題もないようなので、このままの状態を維持して乗っていこうと思っています!

カー・マガジン502号より転載

この記事を書いた人

遠藤イヅル

1971年生まれ。東京都在住。小さい頃からカーデザイナーに憧れ、文系大学を卒業するもカーデザイン専門学校に再入学。自動車メーカー系レース部門の会社でカーデザイナー/モデラーとして勤務。その後数社でデザイナー/ディレクターとして働き、独立してイラストレーター/ライターとなった。現在自動車雑誌、男性誌などで多数連載を持つ。イラストは基本的にアナログで、デザイナー時代に愛用したコピックマーカーを用いる。自動車全般に膨大な知識を持つが、中でも大衆車、実用車、商用車を好み、フランス車には特に詳しい。

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