「フェラーリ・ローマ」がよく似合う、高低差を利用してプライバシーを確保したガレージハウス。【ガレージライフ】

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巧みなデザインのガレージハウスは、プライバシーが守られた異空間。レベル差を利用した設計で、大きな窓を設けることに成功

北海道に建築されたデザインが美しい邸宅は、北海道の建築事務所「K-ATELIER一級建築士事務所」の辻さんが設計した注文住宅。北海道の地は、クルマを保有しても積雪があるため、1年のうち半分近くはクルマをガレージに格納するということが通例となっている。今回の施主・Jさんもクルマを趣味としており、V型8気筒ツインターボエンジンを搭載したフェラーリ・ローマのほか、メルセデス・ベンツの精悍に磨き上げらえたスクエアなフォルムとアイコニックなディテールを持つ2台を所有。いずれもデザインに優れながらも走りを楽しめる2台だ。

Jさんは、18歳のころからフェラーリのオーナーになることを夢見て仕事に精進。そこに現われたのが2019年11月イタリア・ローマで発表されたフェラーリだった。「ローマは1日にしては成らず」、つまり「努力なしには成し遂げられない」の格言に共感し、フェラーリ・ローマに運命を感じ、クルマの注文ともにガレージを手中に収めようと考えてできたのが、ディテールの美しいこのガレージハウス。道内でいろいろな建築家を模索していたときに「K-ATELIER 一級建築士事務所」のオープンハウスに出向いて辻さんと出会い、作品に惚れて依頼することにしたという。

クルマに乗れない時期でもクルマをアートのように楽しめる美術館のイメージで、芸術的なクルマを飾りたいと意図してデザイン。3台のクルマが格納されたガレージの横には、クルマを見下ろすことができる書斎を造作している。夏季には3,855ccのエンジンサウンドを楽しみながらステアリングを握るが、クルマに乗れない時間は目で楽しむことを目的としている。

【写真13枚】間接照明で生み出された、実に優雅なガレージハウス 

ガレージシャッターとして採用したのは「文化シヤッター」製フラットピット。静粛性、コンパクトな収まりが特徴のオーバーヘッドドア。開閉時の静粛性を実現したほか、光電センサによる障害物完治装置を標準装備するなど安全面にも優れているため、2枚のガレージシャッターを設置した。

間接照明により、夜は実に美しい光を放っているガレージだが、リビングを見ても光にこだわって設計されていることがわかる。リビングとダイニング、キッチンの動線は直線でつながれ、中庭から差し込む光が巧妙だ。グランドラインよりも下げて設計しているため、大きな窓はカーテンなど閉じることなく、いつでも光が入る設計ながら、しっかりプライバシーが確保されている。視線が抜けるため、実に広く感じるのは辻氏の設計と特徴の1つともいえる。間接照明にすることで、実に優雅な空間を演出することができるのだ。

アイライン型キッチンに背面の収納は、来客時には木製の扉で閉じることが可能で、シンプルな空間としてすべてを隠すこともJさんのリクエスト。居心地のいい空間は、ここに住まうJ 夫妻を満足させる空間となっている。ダイニングゾーンの床は石張り、リビングは木目張りとゾーニングさせて、床暖房を導入することで冬の寒さは問題なくクリア。そして家具は低いものを選び、背の低いソファにすることで視界を遮ることなく、抜けを大切にしたことで広さを感じる演出ができる。どの方向から眺めても美を追求したようなデザインはTさんの理想の住まいとなった。

偶然見つけた、二等辺三角形の土地は、間口が42mもあり、高低差のある特殊な地形。そこに「どのように暮らしていくか」を熟考し、クルマを格納できるガレージハウスを依頼して、見事に迫力のあるエクステリアを完成させたことは、まさに出会いがすべてだった、とJさんは語る。

◆Planning Data
 竣 工:2021年7月
 施 主:Jさん
 家 族:4人
 敷地面積:443.17平米
 ガレージ面積:53.82平米
 外装/内装仕上げ:左官仕上げ/輸入クロス
 愛 車:2021年式 フェラーリ・ローマ
     2021年式 メルセデス・ベンツG63

◆Owner’s Check
・ここがお気に入り
 ガレージのなかで実現してみたかったボタニカル調のクロスが、ぴたりとはまり気持ちいい空間になりました。和室もすべて和紙を張り、引き戸や押し入れの襖に染描紙を用いてアートになったのは気に入っています。
・ちょっと失敗
 目の前に河川があるため、夏は虫との闘いですね。
・これからの夢
 ガレージにマッドブラックのフェラーリ296GTBがオーダーしてあるので3台のマッドブラックを並べたいですね。

◆Comment from a Builder:
株式会社K-ATELIER一級建築士事所 辻 和永さん
敷地に高低差があり、その高さを利用して設計するのが今回のテーマでした。書斎からは目の前の南側を見るのではなく、上から庭を見渡せる場所に書斎とガレージを配置。道路のファサードは外部からの視線を抑制するためにLDKを中庭に向け、開放感を出しました。
株式会社K-ATELIER一級建築士事務所 北海道札幌市中央区双子山3丁目3-26
Phone:011-624-6286  http://www.katelier.jp 

『ガレージのある家 Vol.47』掲載

photo / Masato HARA(原 将人) text / Jun ISHIHARA(石原 淳)

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