自宅から通いやすい場所に新築したガレージ。施主のこだわりと個性を反映したいという希望を叶えたのは、設計士だった。
東京都に建築された平屋のガレージ。ガレージといいつつも、50坪の土地に建築されたのは平屋のガレージハウスだった。このガレージの主はMさん。Mさんは20代で独立し、モータースポーツやF1関連のビジネスをしていた。エンジンの音やオイルの臭いのなかでビジネスをしてきた経験から、クルマは常に数台所有していて、スポーツカーを所有することも多かったという。
数年前に右ハンドルの「フェラーリ488 スパイダー」を購入して賃貸ガレージに保管していたが、人生を考えたときに、自分の城となるガレージを建ててみたいと、ガレージ建築を決意。知り合いの不動産屋さんに依頼してガレージを建てる候補となる土地を紹介してもらい、10か所見た中から自宅からの距離と前面道路の条件、そして環境などを考えて約50坪の土地を購入。ガレージを建てることになったのは、2022年12月のことだった。
最優先に考えたのは、488スパイダーがガレージから容易に出し入れできる地形であること。そのため選んだこの土地の前面道路は7mあり、しかも準工業地域のため、エンジンサウンドを気にしなくてもいい環境だったのも、ポイントだ。平屋でありながらもクルマが2台格納できるガレージ。そしてキッチン、トイレ、主寝室など必要最低限な設備を設計士に依頼したという。
設計を依頼したのは昔から縁のあった「一級建築士事務所けせらん・ぱさらん」。施工は「川畑工務店」に依頼している。
【写真15枚】ガレージとして愛用しているが、住まうことも可能な住設備を完備。
仕事を終えてリフレッシュ。趣味を満喫できるガレージとした。
平屋でありながらも、クルマがリビングから見渡せることやオーバースライダーのシャッターなどをリクエストはしていたが、アクセントとなるクロスは設計士のほうで提案してもらい、シンプルでありながらも壁面には個性を出して他にはないガレージを表現している。床面はコンクリートで仕上げ、合成樹脂タイル「TECTile (テックタイル)」を255枚施工した。
このタイルは厚さ13mmで、クルマの色に合わせて13色のカラーから選ぶことができる商品で、クルマのボディカラーやガレージのイメージに合わせてコーディネートできる。MさんはTECTile担当者とコンタクトをとり、オーダーして施工している。
そしてガレージシャッターはフラットでシンプルなデザインが好評の「三和シヤッター」製クッキーを2枚導入。オーバースライダータイプで、ガレージの外観に合わせて木目調の塗装鋼板モデルを選んだという。シャッターを開閉しなくても「ガレージのサイドに設けたドアから出入りできるのは、非常に便利ですね」とMさん。
自宅から約15分の距離に建てた別棟ガレージには、週に3,4回出向いてクルマを眺めるというMさん。カラオケを楽しむのが日課でもあるという。これまで集合住宅住まいで、クルマを眺めたり、思いきり歌を歌うことができなかったが、仕事を終えて新築したガレージでストレス発散できることは、ガレージを建ててライフスタイルが大きく変化したことの一つだという。
賃貸ガレージでクルマを保管してきた経験もあるので、自分のガレージを持つことで、できる幅が広がり自由度が広がったと実感しているMさんは、もっと便利な賃貸ガレージを建てて提供していきたいとも語る。クルマだけではなく、ゴルフや釣り、カラオケとたくさんの趣味を持つMさんにとってガレージは趣味を謳歌するための特別な場所であり、リフレッシュする大切なスペースであった。
◆PLANNING DATA
施 主:Mさん
所在地:東京都
敷地面積:177.83平米
構 造:木造平屋
延床面積:108.37平米
ガレージ面積:49.96平米
外壁/内装仕上げ:サイディング/クロス
愛 車:2018年式 フェラーリ・F488スパイダー
2020年式 BMW840d Xdrive ほか
設 計:一級建築士事務所けせらん・ぱさらん
施 工:株式会社川畑工務店
◆OWNER’S CHECK
・一番気にいっているところは?
カラオケを楽しみながらクルマを眺めることができること。
・ちょっと失敗したところは?
特にありません
・次の夢はなんですか?
さらに大きなガレージハウスを造ってみたいですね
◆COMMENT FROM A BUILDER:テックタイル 富澤慈之さん
施主のMさんにはガレージのスペースの情報や、クルマのカラーを教えていただき樹脂製タイルの組み合わせの提案をさせていただきました。イメージをお送りして、通信販売で商品を購入していただきましたが、施工が簡単だったため喜んでいただきました。厚さが13mmありますが、1枚あたり990円とコストパフォーマンスに優れているのも喜んでいただけたポイントです。
Special thanks to TECTileTECTile(テックタイル)
Phone/03-4455-7426 Mail/info@onlystyle.jp
https://tec-tile.jp/
『GarageLife Vol.99』掲載