ようやく出揃ったミドルクラス級電気自動車、これがBEVのエースだ!! アウディQ4 e-torn編【メルセデスベンツ×BMW×アウディ2023】

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ミドルクラスといえば、ドイツ御三家にとってベストセラーを輩出する基幹モデル、いわば各ブランドを代表するエースだ。そこにアウディQ4 e-tronが登場したこともあり、ここでは姿形は違えど、各ブランドのミドルクラス級BEVを集めてワンデイトリップを敢行。実走行に基づいた比較検証を行ない、それぞれのキャラクターを探ってみた。

アウディに待望のお手頃BEV登場

純EVに乗りたいアウディ党お待ちかねの選択肢がQ4 e-tron(以下Q4)である。アウディ曰く「e-tronファミリー初のプレミアムコンパクトSUV」。先発のe-tron、e-tron GTはいずれも1000万円超の高額車である。600万円クラスで全長4.6m級のSUVは待たれていた品揃えといえる。

EV専用プラットフォームに構築されるボディは標準型とスポーツバックのふたつ。リアアクスルに搭載された150kW(204ps)のモーターで後輪を駆動する。肝心のバッテリーは総電力量82kWh。594km(WLTCモード)の航続距離がアウディ最長を誇るのはこのクルマの特記事項である。EVの性能は下剋上だ。

試乗したのはスポーツバックのアドバンスト(688万円)。スポーツサスペンションのSライン(716万円)に対して、スタンダードサスペンションを備えるコンフォート系Q4といえる。

実際、このニューアウディは快適だ。まず乗り心地がいい。ズッシリしているのに、突き上げはなく、当たりは軽やか。ボディのサイズ感は”コンパクト”とはいえないが、天地にツブシの入ったステアリングの操舵力は軽く、取り回しのしやすさを助けてくれる。スポーツバックとはいえ、キャビンや荷室、とくにリアシートは広大と言ってもいい広さだから、ファミリーSUVとして頼りになりそうだ。

EVが速いのはもはや常識だが、このクルマも十分以上である。効率重視のエフィシェンシーモードでも、右足を踏み込めば2100kgの車重を忘れさせる快速を披露する。ただ、ひとつ気になったのは低速域の回生制動時にうなるような音が聞こえること。最初、回生時に何か人工的な音をつけているのかと思った。

【写真10枚】アウディ待望のお手軽EV、Q4 e-tronの詳細を写真で見る

カタログデータはともかく、今回、100%充電時に示された航続距離は457kmだった。その後、電費にはよくない高速道路走行9割で約200kmを走ると、充電量は44%に落ち、残り航続距離は169kmになっていた。この走行パターンだと満充電で350〜400km近く走れる計算だ。トータルの試乗距離は364kmで、電費は5.9km/kWhと優秀だった。

急速充電性能をチェックするために、途中2回、同じ日産ディーラーのチャデモ50kW機で30分充電すると、1度目は146km分、2度目は136km分入った。94kWの急速充電まで対応しているQ4としてはハイパワーチャージャーの普及が待たれるところだ。一方、標準装備の普通充電器は200V 15Aの3kW型。オプションのウォールユニットで8kWまで用意している。それだと単純計算して0から満充電まで約10時間ということになる。

回生ブレーキの強弱はパドルで3段階に調節できる。センターパネルのセレクターでBモードを選べば、スロットルペダルを戻した時に最大の制動(と充電)が得られる。いわゆるワンペダルの完全停止ができるほど強力ではないが、逆に言うと街中ではBモードに入れっぱなしで走れるほど使い勝手がいい。実際そうやって返却時に自宅から35km走ると、8.1km/kWhという区間電費が出た。

EVだからといって、運転に特別な気遣いはいらない。バッテリー残量、残り航続距離、電費など、EVのエッセンシャル情報もわかりやすく提示される。アウディらしいユーザーフレンドリーな実用EVである。

(後編に続く)

【SPECIFICATION】アウディQ4スポーツバック40e-tronアドバンスト
■全長×全幅×全高=4590×1865×1630mm
■ホイールベース=2765mm
■車両重量=2100kg
■バッテリー容量=82kWh
■モーター最高出力=204ps(150kw)
■モーター最大トルク=310Nm(31.6kg-m)
■トランスミッション=1速固定式
■一充電走行距離(WLTCモード):594km
■サスペンション(F:R)=ストラット:マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=ディスク:ドラム
■タイヤサイズ(F:R)=235/55R19:255/50R19
■車両本体価格(税込)=6,880,000円

フォト=郡 大二郎 ルボラン2023年2月号より転載

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