ハイエンドEVのトップがここに集結! 高性能、先進性を体現する独プレミアムの最高峰・アウディe-tronスポーツバック編【メルセデスベンツ×BMW×アウディ2023】

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御三家のハイエンドEVが集結。ドライバビリティ、快適性、最先性などの観点から、さらなる進化の先には、ブランドのフラッグシップとなる日もそう遠くないはずだ。これからのハイエンドやラグジャリーの在り方を考えさせる、3台のポテンシャルを紐解いていこう。

【写真5枚】プレミアムEVの先人として落ち着いたた佇まいのインテリア、アウディe-tronスポーツバックの詳細を写真で見る

パワーのコントロール性は最年長e-tronに軍配

BEV専用車第一弾として、クーペSUVのe-tronスポーツバックを投入したアウディ。ブランドがそもそも持つ先進的なイメージはBEVとの親和性が高く、もっともすんなり電動化シフトを進めているように映る。

実際、室内のサイバーな雰囲気なども、まさにBEVにぴったりという印象。シフトセレクターの操作感などは、スペースシップにでも乗っているかのようだ。ただし、ドアミラーの代わりにカメラを用いるバーチャルエクステリアミラーには今も慣れないけれど。

試乗車はe-tronスポーツバック55クワトロ 1stエディション。前後2モーターでシステム最高出力は408ps、最大トルクは664Nmと、今回の他の2台に較べれば控えめとはいえ、十分以上のパワーとトルクを発生する。

アクセルペダルは重めに設定されているが、慣れるとこれが扱いやすい。極低速でそろっと走り出すのも一定速を保つのも容易で、慣れるととても扱いやすいのだ。

実はこのクルマもBMWと同じく誘導モーターを使う。レアアースフリーな一方で効率やトルクでは不利と言われるが、動作停止中の抵抗の小ささがそのメリットで、そのおかげか加減速を繰り返すような状況では、特にスムーズなドライバビリティに感心させられる。

一方で、シャシー性能については時の流れの速さを実感してしまった。ボディの剛性感はあるが、操舵感は甘めだし乗り心地も揺さぶられ感がある。挙動もアンダーステアが強めだ。

ただし、それはこのクルマだけがSUVだったが故に強調された面もある。本来なら比較対象とするべきはe-tron GTだろう。

今回の結論としてまず言えるのは、BEV化は確実にハイエンドラグジャリーカーの実力を高みに引き上げたということだ。内燃エンジン車では実現できなかった静粛性、快適性、ドライバビリティがそこにあることは、もはや否定のしようがない。充電という課題は、まだ残るとしても。

【SPECIFICATION】アウディe-tronスポーツバック1st EDITION
■全長×全幅×全高=4900×1935×1615mm
■ホイールベース=2930mm
■車両重量=2560kg
■総電圧=397V
■総電力量=95kWh
■一充電航続可能距離=405㎞(WLTC)
■モーター最高出力=408ps(300kW)
■モーター最大トルク=664Nm(67.7kg-m)
■サスペンション(F:R)=Wウイッシュボーン:Wウイッシュボーン
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F:R)=265/45R21:265/45R21
■車両本体価格(税込)=13,460,000円

3台試乗を終えて……

そんなハイレベルの戦いの中で、もっとも鮮烈な印象を残したのはBMW i7である。BEV専用車ではなく7シリーズの中にBEVを設定したのは、コストダウンと思われるかもしれないが、メーカーとしてみれば言い訳の聞かない100%の7シリーズ、100%のBMWを世に送り出さなければならないというプレッシャーの方がむしろ大きかったのでは?

実際にi7は、そのタスクを見事にやってのけた。少なくとも私自身は、i7を知った今、このクラスのクルマをあえて内燃エンジンで乗る理由はなくなったとすら思っているのだ。

ハイエンドEVのトップがここに集結! 高性能、先進性を体現する独プレミアムの最高峰・BMW i7編はコチラ

フォト=岡村昌宏 ルボラン2023年2月号より転載

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島下泰久
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