10年以上に渡って生産された名車、そのポリス仕様
今も昔も、マツダと言えばロータリー。全世界の自動車がEVへと転換されていくだろうことが明らかになった現在も、マツダのロータリーエンジン復活を望む声は根強い。そんなマツダ=ロータリーという図式の中心に位置し続けてきた車種、それはRX-7であろう。
【画像39枚】ドア開閉でばっちり決まったFDパトカーとその制作工程を見る!
初代RX-7は、それまでのサバンナの後継車という意味も持ちつつ、1978年、サバンナRX-7としてデビューした。ロータリーエンジンをフロントミッドに搭載した、ファストバック・スタイルの2ドアFRクーペという成り立ちは、ここで確立されている。1985年には二代目モデルへとチェンジ、そして1991年12月に登場したのが、三代目RX-7である。
この三代目・FD3S型においては、車名から「サバンナ」が外れ、「アンフィニRX-7」となった。「アンフィニ」はこの当時マツダが進めていた5チャンネル販売系列のうちのひとつの名でもある。ファストバックの2ドア・クーペである点は先代と変わらなかったが、そのボディフォルムは、二代続いたポルシェ的なものからはガラリと変わり、滑らかな曲面が特徴のイタリア調へとチェンジ。それを強調するかのように、ルーフはダブルバブル形状をなしている。このスタイリングの美しさは世界的にも評価が高い。
徹底的に軽量化されたボディに搭載されるのは、13B-REW型エンジン。排気量は654×2cc、シーケンシャルツインターボを装着し最高出力は255psを発揮する。サスペンションは、先代・FC3S型の前ストラット/後セミトレから一新され、前後ともオールアルミ製ダブルウィッシュボーンを採用。前後の重量配分は理想的な比率である50:50を実現したほか、トランスミッションからデフまでを一体化するPPF(パワープラントフレーム)を装着するなどして、優れた走行性能を実現していた。
この三代目RX-7は2002年まで、10年以上という長きに渡って販売されたが、もちろんその間、様々な改良がおこなわれている。大まかには前期/中期/後期に分かれ、さらに細かく見るとⅠ型~Ⅶ型までの7タイプに分類できることはよく知られている。ここではその差異について、簡単に触れておこう。
1996年1月までのモデルが前期型にあたり、これはⅠ型からⅢ型に分かれる。Ⅱ型(1993年8月~)ではボディ剛性の向上や足周りの細かいセッティング変更などが行われ、Ⅲ型(1995年3月~)ではリアウィングを2本ステータイプに改めた。中期型は1996年1月から1999年1月までのモデルで、Ⅳ型がこれにあたる。ここからテールランプが丸3連タイプになったほか、エンジン出力が265psに向上(MTのみ)。また、このⅣ型の途中で車名が「アンフィニ」から「マツダ」に変わっている。
後期型は1999年1月から2002年8月まで生産されたモデルで、これはⅤ型とⅥ型の2種。Ⅴ型ではフロント周りのデザインが大きく変更されたほか、最高出力が280㎰へとさらに向上(MT車のみ)。ボディ剛性の強化やサスペンションのセッティング変更も行われた。Ⅵ型(2000年9月~)での変更は小さく、ABSの制御が8ビットから16ビットになったほか、サスペンションのセッティングも見直されている。このⅥ型を最後に、RX-7は2002年8月、生産終了した。
アオシマのFDへの真摯な姿勢を示す好キット
FD3S型RX-7は、実車の人気を反映してプラモデル化の数が多いが、1/24スケールに絞ると、タミヤ、アオシマ、フジミ、そして今はなきロッソの、合計4社がキット化している。ロッソを除く3社のキットは現在(2022年12月)も入手可能だ。中でもアオシマは、前期・中期・後期の全てをバリエーション展開しており(そのすべてが現在購入可能ではないが)、またキット内容も、ボディのプロポーションからシャシーのリアリティまで確かな内容を具備している。ただし、エンジンの再現はない。
中期型=Ⅳ型は、アオシマのキットでも長らく穴となっていたものだが、2015年に新規パーツを加えてキット化。さらに、これをベースとしてパトカー仕様もリリースしている。ここでお目にかけているのは、このパトカー仕様のキットを制作したものだが、室内の装備品などをさらに作り込んだので、それを完成後も見やすいようにドアを開閉可能として仕上げた。その制作工程については写真とキャプション、そして追って公開する後編の記事でお読みいただきたい。
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