今なお現役のベビー・ランボ
1989年にジャルパが生産を終了して以来、1990年代を通して、ランボルギーニにエントリーモデルは存在していない。クライスラー傘下であった1990年代当時もその開発はじっくりと続けられていたのだが、それが成果となって現れるには2003年まで待たねばならなかったのである。
【画像55枚】オバフェンのフィッティングも秀逸なLBワークス仕様とその制作工程を見る!
同年のジュネーブショーでデビューしたガヤルドが、その新たなベビー・ランボルギーニであった。ランボルギーニがクライスラーの元を離れ、メガテックを経てアウディの傘下に収まってから4年後のこととなる。このガヤルドはムルシエラゴの縮小版的スタイリングを持っていたが、ドアの開き方は同社お得意の跳ね上げ式でなく、常識的な横開きであった。エンジンは5LのV型10気筒エンジンをミッドに搭載、4輪を駆動。このガヤルドの後継モデルとして、2014年にデビューしたのがウラカンだ。
通常開きのドア、V10エンジン、4輪駆動といった特徴はガヤルドから継承したウラカン(LP610-4)だが、その内容はもちろん大きく異なるものだ。ボディサイズはわずかに拡大され、ボディスタイルはより鋭角的な印象のものとなった。各部にシャープなエッジが入れられており、特にルーフのそれが印象的だが、これは日本の折り紙をモチーフにしたものだという。
搭載されるエンジンはV型10気筒DOHCの5.2Lで、デュアルインジェクションシステムなどを採用し、最高出力は610hpに達する。これをミッドに搭載し、前後の車輪を駆動。変速機は7速デュアルクラッチミッションのLDF(ランボルギーニ・ドッピア・フリッツィオーネ)で、ANIMA(アニマ)と呼ばれるドライブモード切り替え機構も搭載している。サスペンションは4輪ダブルウィッシュボーン。
デビュー後2年目の2015年にはスパイダーを追加、また2輪駆動のLP580-2も加わった。これは後輪のみを駆動、車名のとおりエンジン最高出力は580psに落とされているが、この処置は操縦性を重視したことによるという。また、ボディも前後デザインを専用のものとし、差別化を図った。2017年にはウラカン・ペルフォルマンテ(LP640-4)を発表。これはエンジンを640hpにパワーアップし、ボディをさらに軽量化したもので、ニュルブルクリンクにて量産車最速のラップタイプを記録したことも話題となった。
翌年にはこのペルフォルマンテのスパイダー・バージョンも追加、そして2019年にはウラカンEVOを送り出している。これはランボルギーニとしては初の4輪操舵を採用、空力性能も磨き上げた、まさにエボリューション・モデルだ。こののちEVOにもスパイダーや後輪駆動モデルを追加し、さらにSTO(ウラカンGT3 EVOなどレース仕様の公道バージョン)やテクニカ(V10ランボの集大成とも言われる後輪駆動モデル)などを登場させるなどの進化を遂げて、現在に至っている。
レジン+エッチングのトランスキットを組み合わせて制作!
ウラカンのプラモデルはわが国のアオシマのみが手掛けており、1/24スケールで初期のLP610-4とペルフォルマンテがキット化されている。インテリアや車体裏面だけでなくエンジンまで再現された、フルディテールモデルである。さらに最近では、LBワークス仕様のウラカンもリバティーウォーク・シリーズからリリース。これは通常のウラカンのキットとは違いエンジンを省略、全体のパーツ構成も簡略化した組み立てやすさ重視の製品である。それだけでなくパーツも効果的に色分けされ、塗装せずに組み立てても充分見栄えがするよう配慮がなされている。
ここでお目にかけているのはLBワークス仕様のウラカンだが、リバティーウォーク・シリーズのキットを組んだものではなく、通常のウラカンのキットに、ホビーデザイン製トランスキットを組み合わせ、LBワークス仕様に仕上げたものだ。作例制作時点ではリバティーウォーク・シリーズのキットがまだ存在していなかったためこのような制作となったのだが、前述のように同シリーズ製品のウラカンは簡素なパーツ構成を採っているため、エンジン再現などを含めたリアルなLBワークス仕様を作ろうとすれば、作例と同じ制作作業をする必要があるだろう。そうした意味で参考にしていただけると思うので、工程写真に添えたキャプションもよく読んでいただきたい。
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