折り紙ボディにビス止めオバフェンは和の魅力
近年、日本のチューンドカーをモチーフとしたミニカー、プラモデルの人気が高まっている。その傾向は日本はもとよりアメリカやアジアでも顕著で、LB-WORKS(LBワークス)を筆頭に、RWB、ロケットバニーなどが代表的な存在として知られている。
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これらに共通するのは、1980年代日本の改造車文化、いわゆる街道レーサーのイメージを継承したビス止めオーバーフェンダーを装着していることだ。その中でも、リバティーウォークが手掛けるLBワークスの過激さは群を抜いている。メーカー純正を尊重するファンの多いスーパーカー、フェラーリやランボルギーニなどのフェンダーを大胆に切り取り、そこにFRP製のオーバーフェンダーをビス止め装着してしまうのである。
流麗な美しさを特徴とするヨーロッパのスーパースポーツと、武骨でいかついオーバーフェンダー。そのマッチングは、ちょっと想像しただけでも惨憺たる結果に終わってしまいそうに思えるが、不思議と調和のあるスタイリッシュさを見せているのは、やはりセンスの良さゆえであろう。むろん、それに拒絶反応を示す向きも少なくはなかったが、今では当のランボルギーニですらそのカスタマイズセンスには一目置いているというのだから愉快なものだ。
アオシマのウラカンもちょっとひと手間でさらに見栄えがシャープに!
さて、ここでお目にかけているのは、アオシマ製プラモデルのランボルギーニ・ウラカンLP610-4に、ホビーデザイン製トランスキットを組み合わせて、そんなリバティーウォークの看板ブランド「LBワークス」仕様の車両を再現した作品である。以下、作者のKen-1氏のコメントをお読みいただこう。
「ホビーデザインのトランスキットは、この手のパーツとしては非常に薄く成型され、ボディとの合いもなかなか悪くありません。とはいえそこはガレージキット、インジェクションのようなパチッと合う感じではないのも事実です。この辺は、事前にきっちりとフィッティング・チェックと擦り合わせ作業をしておきましょう。しかし、特に難しい技術を駆使しなければならない、という訳でもなく、基本的な作業を確実にこなせば問題なく仕上がります。昔のレジンのように気泡だらけということもなく、気軽に楽しめると思います。
アオシマのウラカンは以前にも何度か完成させたことがあるのですが、フロントに何か違和感を覚えていました。訳あってウラカンの実車は割と頻繁に見かけるもので、そのたびに、キットとの印象の違いが引っかかっていたのです。実車の印象はもっと低い感じですが、とはいえ、サイドから見た感じはキットの印象に近く、単純に高さ低さの問題ではないようで。ならどこが違うのか……と思いながらフロント周りを面出ししているとき、ハッと気がつきました。
ライト周りのプレスラインがぼんやりしているので、それが全体の印象をぼやけさせているのではないかと。ライトカバーの縁からノーズ中央へと延びるラインをシャープに入れて、その周りの面をパキッと出してやれば、アラ不思議。一気に実車の低く精悍なイメージがキットに宿りました。作業的にはちょっとしたことなのですが、面とエッジが全体に与える印象の大きさを、今回、改めて教えられました。
ボディカラーの塗装はMyStarカラーのアランチョ・パールを使い、オレンジメタリックとしました。このシリーズは隠蔽力が弱いカラーが多いのですが、その分、独特の色合いが魅力です。こういうカラーを塗装する場合、無理にそれ単体で発色させるのではなく、下塗り段階で狙う色合いに合わせておき、上からふわりと乗せる感じに塗装すれば、ムラなく上手く発色できます。一度試してみてください。
ランボルギーニにLBワークス、そしてオレンジメタリック! と、ヘタに合わせると「派手」を超えて「下品」になりかねない組み合わせですが、仕上がってみると思いのほか上品な出来上がりとなったように思います。自分的にはなかなか会心の仕上がりとなりましたが、皆さんの目にはどう映るでしょうか?」