総工費なんと3千万! 元は築30年が経過している鉄骨躯体の工場。リノベで生まれ変わったガレージには、憧れのスーパーカーを。
ここで紹介するのは、岐阜県を中心に外構工事を請け負う会社「東海EXTERNAL」が、築30年の建物をフルリノベーションしたガレージだ。ブラックとホワイトの配色で仕上げたガレージは、コストを抑えながらも高級感のあるガレージに仕上がった。ガレージのオーナーは東海EXTERNAL代表のGさんだ。
クルマが好きで免許を取得したときから4輪駆動車のトヨタ・サーフなどを乗り継ぎ、今まで夢として憧れていたスポーツカー、4.5Lエンジンの8気筒エンジンを搭載したフェラーリ・458スパイダーを手に入れた。4年前に新築でガレージハウスを建築するも、クルマの増車をきっかけに新たなガレージハウス計画を考えていたところ、会社に隣接する倉庫を譲ってもいいという話が舞い込んだ。そこから、この倉庫のリノベーション計画がスタートしたという。
元は築30年が経過している鉄骨躯体の工場。
Gさんは1階をガレージ、2階を会社の事務所とすることに決めて物件を購入した。鉄骨の躯体であれば間口を広く飛ばすことができるので、クルマを並列に停められるガレージにできるほか、耐震性も悪くないと考えた。しかし、物件を購入してから細かく調べてみると、予想していなかった建物のウィークポイントが発見される。それは、現在の耐震基準に建物の建築が満たしていないというものであった。
耐震補強のほか、使う部材を工夫することで、コストダウンに成功。
そこで既存の建物全体を持ち上げて建物の基礎を補強する嵩上げ工事を採用。鉄骨の柱をジャッキアップさせて古くなった基礎の補強をすることで、通常の増改築・新築に比べて出費を抑えることができる。さらに補強によって地盤が強固になるため、耐震補強を兼ねつつ建物が重くなったときの地盤沈下を抑止できるなどのメリットがある。これにより既存の建物が活かせるので、新築と比較すれば、格段にコストを抑えてガレージハウスを手に入れることが可能となった。
大きな開口部には三和シャッター製のシャッターを導入。以前の経験からオーバードアによるホコリの舞い込みを抑えることが目的である。幅5,600mmのスチールシャッターのファサードにはスタンプクリートによる施工をし、600mm角・10mm厚の大理石調ののタイルを敷き詰めた。外壁材を壁面にすることで高級感のあるモダンなガレージへと仕上げている。
また、Gさんがどうしても導入したかったというアイテムが、排気ガスを屋外に排出する「EG WayOut」だ。雑誌などでその存在を知っていたGさんは、直接問い合わせをし、何度も事前打ち合わせを重ねた結果、ガレージに並列3台のクルマで使用するならば、と10mのホースが標準の「EGM-075L」の導入を決めたという。
アタッチメントはフェラーリ・458スパイダーとランボルギーニ・ウルスに合わせ、吸込口を幅350mmにカスタム。昨年改良された新型タイプは調整に工具がいらないタイプで便利だ。モーターもGさんの要望で、ロッソコルサのカスタムペイントを施している。Gさんいわく「エンジン始動時の排ガス対策のみならず、湿気対策もでき、常に空気を循環させることに役立っている」と、大いに喜んでいるようだ。
同時にフェラーリのディーラーサインも壁面に発注。15色フルカラーLEDによるライティングが可能になっている。憧れていたガレージには、どうしてもこのアイテムも必要だったと、うれしそうなGさん。今回、このリノベーションガレージにかけた費用はおよそ3000万。Gさんの東海EXTERNALでは、ガーデンや外構の仕事のほか、クルマの好きな人にガレージのお手伝いをしていきたいと考えているそうだ。東海3県でガレージのリノベーションなどの相談を受ける拠点が、ここに完成した。
◆PLANNING DATA
施 主:Gさん
構 造:鉄骨2階建て
外壁/内装仕上げ:ガルバリウム鋼鈑/サイディング
敷地面積:約250平米
延床面積:415.8平米
ガレージ面積:26.82平米
愛 車:2014年式 フェラーリ・458スパイダー
2020年式 ランボルギーニ・ウルス
2020年式 メルセデスベンツ・G63
◆OWNER’S CHECK
・一番気にいっているところは?
念願だった排気ガス排出システムEGWayOutを導入できたこと、床の大理石調タイルは圧着方法の採用で10mm厚を使用できたことがよかったですね。
・ちょっと失敗したところは?
ガレージの天井をもう少し考えればリフトが入れられたかもしれません。
・次の夢はなんですか?
リフト付きのガレージにすることでスペースが有効に使えます。そんなガレージの設計をしてみたいですね。
株式会社東海EXTERNAL:岐阜県揖斐郡大野町大字西方827-1 Phone/0585-52-9033
取材協力:SAFETY LIFE https://www.safety-l.com