北米市場向け2ドア・セダンを国内へ導入
初代インプレッサ(GC/GF型系:1992-2000年)の2ドアと言えば、1996年登場の中期型から追加されたWRXクーペや、1998年に限定生産された22B-STiがすぐに思い浮かぶが、それら以外のモデルも存在していた。1995年に「ニューエイジ・クーペ」を謳って追加された、インプレッサ・リトナである。
【画像73枚】見事リトナに落ち着いたインプレッサとその工程を見る!
1.5L FFと1.6L FF/4WD、いずれも大人しいNAエンジンを搭載し、リーズナブルな価格と、4ドア・セダンと同等の居住性を売りにしていた。それもそのはず、当初は輸出専用だった「2ドア・セダン」を、国内向けに「2ドア・クーペ」と称して転用したのである。主に北米市場のセクレタリーカー需要に応えるために用意されていた廉価版の2ドア・セダンなので、スポーティにはほど遠い穏やかな性格付けで、セダンやワゴンに用意されていた「エディション-S」(NAエンジンで外観だけWRX風のグレード)すら設定されなかった。
メーカーとしては、都会暮らしの知的で活発な女性に買って欲しかったようだが、不人気ゆえたった2年でカタログ落ちと相成った。筆者も当時路上で見かけた記憶は無く、現役当時から極めつけの稀少車であり、現存数も相当に少ないものと思われる。
ハセガワ製キットを使用し、あえて4ドアからの2ドア化!
インプレッサ2ドアの1/24スケール・プラモデルはフジミとタミヤからリリースされているが、今回はあえてハセガワ製4ドアWRXからの改造を試みた。GC/GF型インプレッサは、WRXもそれ以外もフェンダー形状は同一で、リトナのルーフやリアデッキなどのアウトラインは4ドアとまったく同一だ。ハセガワのボディはプロポーションが非常に良く、裾周りがエアロ無しなのも好都合である。
そこで、フロントフードのインテークやルーバーを埋め、前バンパーの下半分を改造し、ドアのパネルラインを変更、Cピラー付け根の窓枠モールドにちょっと手を加えれば、リトナのボディが出来上がる。窓ガラスは側面内側のモールドをペーパーで擦って消すだけでOKだ。
インテリアはドアトリムをプラ板で作り替え、フロントシートはアオシマのスカイラインR33 GTSの部品に手を加えて使用した。ステアリングはフジミのS13シルビアの部品を改造したものだ。シャシーはほぼそのままだが、駆動系の前端にモールドされたターボの配管は目立たないように黒く塗りつぶした。リアブレーキはドラムなので、ディスク部品からキャリパーのモールドを削り取り、黒く塗って使っている。
ホイールはアオシマのGX81マークⅡから表面のみ流用、リム縁を除去しスポークを削り込み、中央部を平らに加工したものをWRXのホイールに被せた。実車のホイールカバーとは穴の形が異なるが、のっぺり安っぽい樹脂製カバーの雰囲気は出せたと思う。これらの工作については、工作中の写真に付したキャプションで詳しく解説しているので、ぜひお読み頂きたい。さあ、あなたもリトナ、おひとつ作ってみては如何?
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