今や”ダサピンク”の代表例、でも懐かしくてたまらない!フジミ製プラモから「アルト・ジュナ」を再現【モデルカーズ】

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回転式ドライバーズシート採用の、麻美のアルト

1979年、軽自動車フロンテの4度目のフルモデルチェンジの際に姉妹車として生まれたアルトは、軽商用車を乗用車としての用途に使うことで節税になるというのが当時のコンセプトであった。この狙いは大いにあたり、世に「軽ボンバン(ボンネットバン)ブーム」を巻き起こしたのである。
初代アルトのそうした性格は、徹底してコストダウンを行い低価格を実現し「47万円」を売り文句としたことでも窺われるが、その5年後の1984年に登場した2代目アルトでは、軽ボンバンであることはそのままに、やや上級志向となった。ボディスタイルはキープコンセプトながらややふっくらとボリューム感のある造形に。乗り降りのし易い回転式ドライバーズシートの採用も印象深かった。

ターボや、ひいてはアルトワークスといったホットバージョンもラインナップしつつ、2代目アルトは女性を想定ユーザーの大半とし、初代よりもそうした面をアピールしていた。そうした方向性を顕著に表していたのが、特別仕様車や女性向けグレードの設定であろう。その始まりは、CMキャラクターである女優・小林麻美の名を冠した「麻美スペシャル」で、「レジーナ」、「ジュナ」など同様のバージョンがモデルライフ中いくつも発売された。

レジーナはフロントにベンチシートを装備し、前後ともシート地を水玉模様としたコラムAT車。そして本題のジュナは、エアコンと回転式ドライバーズシートを備えたモデルだ。ジュナは数回発売されており、シート地がチェック柄のもの、サイド部分をパステルカラーとしたもの、全面がパステルカラーのものなどのバリエーションがある。パステルカラーは外観にもあしらわれており、レジーナよりも派手なルックスとなっていた。

さて、ここでお見せしているのは、このアルト・ジュナを再現した1/24スケールのプラモデルである。2代目アルトはフジミからキット化されているのだが、アルトワークスやレジーナなどのバリエーションがあるものの、ジュナは存在しない。この作品はレジーナをベースにジュナへと改造したものである。

ジュナ化だけでなくボディ形状も修正
使用したのはレジーナのキットだが、ベンチシートだけでなくセパレートシートも不要部品として入っているので、シートの自作は不要だった。まずボディ形状は側面が裾広がりであるのが気になる。これを矯正するため前後ランプ部に切り込みを入れ、プレスラインから下が垂直に近くなるよう曲げる。曲げ易くするためライン裏側をリューターで彫り込み、肉厚を薄くした。曲げて接着すると自然な形になったのが分かるだろう。ただしこれによりボディの幅が狭まり、バンパーとの間に隙間が空いてしまった。

そこでフロントバンパーはホイールアーチ側を内側に曲げ込んでボディと合わせ、前方側面を削り込んで辻褄合わせ。リアバンパーは2ヶ所で切り離し幅を詰めて成形、ボディ幅から少し出る程度に合わせる。ノーズ先端、ライト上部の厚みが足りないのでここも改修。写真のように切り込みを入れ、フード先端を引き上げて0.5mmプラ板を挟む。段差や隙間にはゼリー状瞬着を充填、硬化後削り込み形状を出した。ライトは小さいのでリフレクター部をくり抜きつつ拡大、フードラインは左右で位置がズレているので一度埋めて彫り直した。ライトレンズは大きくするためアオシマの130クラウンから流用加工、曲率が丁度良い。

ライトレンズは少しずつすり合わせていく。リフレクターを再生するため裏からエポキシパテを充填し、少し飛び出した所にレンズ部品を押し付けてベース部を作った。この時、水をたっぷり付けていればレンズとパテはくっつかない。周囲をしっかり保護してリューターでリフレクターを彫り込んでいく。テールレンズもボディ側面と合わなくなったので、ボディに仮組みして削り込み形状を整える。

ボディはExホワイト+グランプリホワイト、バンパーはグレーサフ+マホガニー+ホワイトで塗装。ジュナ専用のグラフィックは自作デカール、フロントのスリットとライト下の黒い部分もデカールで処理。バンパーのピンク部分は、ベタデカールにピンクを塗装し切り出して貼った。ステアリングコラムは、左のワークス用(不要部品として含まれる)を使用、右はレジーナ用パーツ。シートを濃/淡グレーとピンクに塗り分け、リアシート背面は黒とする。フロアの成型が荒れていたのでプラ板でマットを自作した。

シフトレバーは形状が妙なので上半分を作り直した。シャフトは0.5mm金属線。内張りがのっぺらぽうなので、0.3mmプラ板から色違い部分を切り出し塗装、グリップはプラ棒から削り出した。バスタブ後方にはリアハッチの内張りを再現。ガラス裏面のピラー(鉄板むき出し)に該当する部分には、白いカッティングシートの細切りを貼った。外から覗いた時にボディ色の部分があると、当時の軽自動車らしさが増す。クウォーターガラスの保護バーは伸ばしランナーで再現、太さは0.6mm径程度。

テールレンズは裏に取り付けピンがモールドされており、表側から根元の円形が透けて見えるのでリューターで削除。塗装は表から塗り分けし、全体に軽くスモークをかけている。各部の鍵穴には、アルミテープを1.0mmポンチで抜いたものを貼り付けた。

作例制作=飯塚健一/フォト=服部佳洋 modelcars vol.294より再構成のうえ転載

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2022/05/30 12:00

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