国産スポーツカー冬の時代を支えた2代目Z
日産のスポーツカー、「フェアレディZ」の2代目モデルは、1978年に発表された。1969年に登場した初代モデル・S30型系のイメージを継承し、ロングノーズ/ショートデッキのプロポーション、丸2灯ライトを彫り深い形に配置したフロントマスク、上下2段のテールレンズといった特徴をそのまま持ち込みつつ、ボディサイズは若干拡大されている。3ドア・ファストバックという形は同じであるが、Bピラーレス/サッシドアの先代とは逆に、Bピラー付き/サッシレスドアへと変化。
エンジンは先代同様L型6気筒で、2LのL20Eと2.8LのL28Eを用意。サスペンションはリアをストラットからセミトレに改め、ブレーキは四輪ディスク化された。2人乗りと4人乗りの2種類のボディを、ホイールベースを変更して用意しているのも先代同様だが、1980年にはTバールーフを追加。これはボディ剛性を確保しながらサンルーフ以上のオープンエア感覚を齎すものであった。
インテリアはダッシュボードに初代の面影を残すものの装備も充実、グレードによってはエアコンも標準装備されるなど、ゴージャスなものとなっている。1982年には2Lモデルにターボを追加するなどしたのち、登場5年目の1983年にモデルチェンジ、3代目・Z31型へとバトンタッチした。
さて、ここでご覧頂いているのは、タミヤ製1/24スケール・プラモデルの2代目フェアレディZを組み立てた作品である。タミヤのS130Zと言えばTバールーフであるが、これはリリース後に金型改修されたもので、当初はこの作品で分かる通りノーマルルーフであった。とは言えこの作品のポイントはそこではない。タミヤのS130(Tバー仕様)は3月に再販が行われたばかりだが、そのキットを制作するにあたっても参考にして頂ける点があるので、この作品をお見せしているのである。
エンジンルームに隔壁をプラスする!
タミヤのS130は上げ底ながらエンジン周りが巧みに再現されているのだが、それだけに気になる点がある。バルクヘッド以外の隔壁が皆無で周りがスカスカなのだ。そこでこの作品では、前側のラジエターサポートとタイヤハウス周囲のパネルをプラ板で追加。ラジエターサポートは写真のようにボディ側とシャシー側に分割した。シャシー側の丸い孔をエアクリーナのホースが通ることになるので、ヘッドカバーから一体になったパーツはホース部分を一旦切断し、ホースは前側から取り付けて繋ぎ直している。エンジンブロック側面は抜きの都合から平面になっているので、フジミ製S30ZのL24エンジンから移植した。これでプラグコードの配線がより自然に行えるようになった。
タイロッドはエンジンパーツのすぐ下を通るので上から見えてしまう。そこで作例では他のキットから流用したタイロッドで左右ストラットを繋いで、これをシャシー下に通した。そのためシャシーの孔は埋めている。インテリアもフロアにプラ板を敷き詰めて凹凸のモールドを隠し、リアトレイ周囲にできるボディとの隙間を埋めたが、これは気になる方が真似すればよいだろう。ドア内張りもシャシー側への取り付けに変更し、前後をプラ板で補っている。シートは背面にプラ板を貼って厚みを増した。
隔壁の追加のおかげでエンジンルームの現実味がぐっと増したのが、完成状態の写真からもよく分かるだろう。シャシーはモーターライズながら、排気系ばかりでなくトランスミッションを別パーツにするなど、当時の金型にしては凝った再現を見せるが、実は大胆にもリアサスペンションがほぼ完全に省略されている。アオシマのスーパーZや、先般ご紹介したクラウン製キットなどを参考に、セミトレ式のサスペンションを追加するとさらに良くなると思われるが、気にならなければ無論そのままで良いだろう。
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