T1型タイプ2がEVになって復活!? フォルクスワーゲンがニューモデルの「ID. Buzz(ID. バズ)」を発表!

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持続可能、CO2フリーの新たなるモビリティとして

フォルクスワーゲンはBEV(バッテリ―式電池自動車)のID.シリーズにおけるニューモデル、「ID. Buzz(ID. バズ)」およびその商用車版「ID. Buzz Cargo(ID. バズ・カーゴ)」を発表した。これはかつてのワーゲン・バスがEV版として復活するとしてたびたび話題となっていたものだが、フォルクスワーゲンでは、持続可能かつCO2フリーのモビリティとして、新たなる解決策を提示したものとしている。ID. バズには最新のID.ソフトウェアが搭載されており、安全、快適、充電の各性能において、同セグメントにおける新たな基準を確立したという。

象徴的デザイン:かつてのT1のイメージを現代流にアレンジ
前述の通り、このID. バズはかつてのタイプ2、とくに初代(T1)のイメージを現代に蘇らせたものとなっている。「1950年代のアイコンであるT1は、人々がモビリティと自由を獲得することを可能にしました。私たちはこのT1のDNAを現在に、つまり電気モビリティの時代へと移行させます」と、フォルクスワーゲン・デザインの責任者であるヨゼフ・カバンは述べている。「T1のドライバーは、フロントアクスルの真上に座ることになり、フロントオーバーハングは実質的にはありませんでした。安全性のため、ID. バズは必要充分なオーバーハングを有しています。」

「ID.バズは時代を超越しています。持続可能でありながら非常に機能的であり、ユニークな存在です。」もうひとつの特徴は、LEDヘッドライトの間のV字型フロントパネルだ。オプションのツートンの塗り分けにも当てはまるが、これがT1をイメージしたデザインであることは言うまでもない。
ホイールベースは2,988mmで現行のT6.1とほぼ同じ、全長は4,712mm。ルーフアンテナを含む全高は1,937mmあるいは1,938mm。全幅は1,985mmで、T6.1より81mm広くなった。

最大170kWの充電電力と双方向充電、将来はプラグ&チャージも可能に
ID. バズおよび同カーゴは、77kWhのバッテリー(総エネルギー量:82kWh)を搭載。150kWの電気モーターが、かつてのT1同様に後輪を駆動する。サンドイッチフロアの奥深くに統合されたバッテリー、そして軽量電気駆動システムを効果的な配置とすることで良好な重量配分を得られ、車両の重心を低くすることに成功、これによって扱いやすさと敏捷性が最高のものとなったという。

リチウムイオンバッテリーは、11kWの交流(AC)を使用して、ウォールボックスまたは公共の充電ステーションから充電可能。DC急速充電ステーション(直流)のCCSプラグコネクタを介した場合は、充電電力は170kWまで増加、この場合は、バッテリーの充電レベルは5%から80%に達するのに30分となるとのこと。最新のID.ソフトウェアを使用することで、将来的には「プラグ&チャージ」機能も可能な予定だ。この機能と、ISO 15118規格を使用した充電コネクタを介することで、互換性のあるDC急速充電ステーションでID.バズは自身を認証。この方法で、必要な全てのデータを充電ステーションと交換、これにより利便性が向上するだろうとのこと。双方向充電により、ID. バズはバッテリーからユーザーの住居へと電力を供給することもできる(Vehicle-to-Home)。電力伝送と通信は、特別なDC双方向ウォールボックスを介して行われる。

最新世代のIDソフトウェアが新たな運転支援と充電機能を可能に
ID. バズおよび同カーゴには「Car2X」ローカル警告システムが標準装備されており、他の車両や輸送インフラからの信号をキャッチして、危険をリアルタイムで特定。また、「フロントアシスト」緊急ブレーキ機能、「レーンアシスト」レーンキーピングアシスタントも標準装備となる(後者はMPVバージョンのみ)。

新しいソフトウェアによって、新たな支援機能もID.シリーズに組み込まれた。オプションとして用意された「スウォームデータを使用したトラベルアシスト」により、全速度範囲において、部分的に自動化された運転が容易になり、高速道路での車線変更アシストが初めて可能となった。また、以前に保存されたルートにおける自動駐車「メモリ機能」も新たなものである。

考え抜かれたデザインの広々としたインテリア
ID. バズのレイアウトは非常に明確で、コンセプトはよく考えられており、空間を最適に利用できるという。MPVバージョンでは、ラウンジのようなフレンドリーな雰囲気の中、5人の乗員と荷物のための十分なスペース(容量1,121L)がある。2列目シートを折り畳むと、積載量は最大2,205Lに増加。ID. バズ・カーゴではフロントシート2または3席と、3.9平方メートルのカーゴスペースがあり、ユーロパレット2つを積み込むことが可能とのこと。要望によって固定式パーティションも装備できる。

高まる期待と市場導入予定
フォルクスワーゲンの取締役会長ラルフ・ブラントシュテッター氏は次のように述べている。「ID. バズは電気時代の本物のアイコンです。フォルクスワーゲンだけが作ることができる車。排出物がなく、持続可能で、完全にネットワーク化されており、自動運転という新たなチャプターへの準備ができています」
フォルクスワーゲン・コマーシャルビークル・ブランドの取締役会長カルステン・イントラ氏はこう付け加えた。「ID. バズは持続可能性の点で先駆的です。リサイクルされた合成素材を使用しており、インテリアには本革が一切使用されていません。ライドプーリングなどの自律モビリティにも将来使用されます。これは、アプリを介して予約できる、グループ子会社MOIAのeシャトルサービスです」

フォルクスワーゲンのID.シリーズのすべてのモデル同様、バズもハノーバーのフォルクスワーゲン商用車によって製造され、VWグループのモジュラー電気駆動キット(MEB)に基づいている。全電気自動車向けの世界初のスケーラブルな大量生産プラットフォームは、異なるセグメントのあらゆるモデルにおいて、クロスブランドの基盤となる。
ID. バズおよびID. バズ・カーゴの市場投入は欧州においては今年秋予定であり、アメリカとカナダでも発売の予定とのことだ。

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