EVになって復活したハマーの元祖、「ハマーH1」のモン・モデル製プラモデルを作る!【モデルカーズ】

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軍用高機動四駆の民生バージョン

ジープに端を発するアメリカの軍用四駆の末孫が、AMジェネラル社のハンヴィー(ハマー)である。同車は、米陸軍によるハンヴィー構想(高機動多目的装輪車両:High Mobility Multipurpose Wheeled Vehicleの頭文字でHMMWV)に基づき開発された。この構想は、用途が限定的なジープ(の後継であるMUTT)に代わり、1台で様々な任務に対応できる汎用的な車両を導入しようというもの。より大きい車両が担っていた用途もカバーするだけにサイズはかなり大きなものとなり、全長184.5インチ(4686mm)、全幅86.5インチ(2197mm)、ホイールベース130インチ(3302)mm。

 

フレーム式シャシーを持つ四輪駆動車という点ではジープ的イメージから乖離したものではなく、7本の縦線グリルも、AMジェネラルがウィリスにルーツを持つことを想起させる。ボディ形状は用途に応じて様々なバリエーションが用意されたが、材質にはアルミが採用され大幅な軽量化を実現していた。機構面ではハブリダクション(車軸を車輪の中央よりも上にずらした構造。このためブレーキはインボード式)を具え、これにより最低地上高を高く採っていることが特徴だ。

エンジンはGM製379-cid(6.2L)V8ディーゼル(150hp)。このハンヴィー(制式名M998)は1985年から部隊配備されたが、これを民間向けに1992年から発売したのがハマー(H1)だ。室内は豪華なものとなったが、ボディサイズや性能、そしてエンジンやミッションが車両中央に鎮座する構造は無論変わらない。バリエーションは2人乗りと4人乗りのハードトップ、4人乗りのオープン/キャンバストップ、そして4人乗りのワゴン。1996年にはエンジンを396-cid(6.5L)のターボディーゼル(195hp)に変更、2006年には403-cid(6.6リッター)のいすゞ製エンジン(300hp)にチェンジしハマーH1アルファとなったが、同年で販売終了となった。

AMジェネラルは1999年にハマー・ブランドをGMに売却しており、ハンヴィーとは無縁のモデルであるハマーH2と同H3がそれぞれ2002年と2006年に発売されたが、ブランドごと消滅。しかし2020年、GMCからEVとして復活したことは記憶に新しいだろう。

モン・モデルのキットを組む
このハマーH1は、中国のMENG MODEL(モン・モデル)から2016年に発売された1/24スケール・プラモデル。プラパーツだけで点数は290点あまり、メッシュなどはエッチングパーツ。ミラー面はメタルインレットマークを使用、タイヤはゴム製と思われる。4枚の側面ドアとグリルガード、エンジンフードは可動式。別売りで改造用のアップグレードキットもある。

パーツ構成と分割はやはりミリタリーモデル・メーカーならではのもので、メインのボディはドアやフードを別にすると6点のパーツからなる。説明書ではまずエンジン/シャシー/足周りを組み立て、インテリアを完成させたフロアパネルを乗せ、ボディはパネル毎にインテリアの周囲に貼り付けていく。実車もピックアップにルーフを乗せたような構造なので、塗装したボディパネルを説明書通りに組んで行けば問題ないが、ボディ後部のカドは塗装前に継ぎ目を消しておきたいところだ。作例では、カーモデルとしての塗装の段取りを考えて、ボディはできるだけワンピースにまとめてみた。まずメインボディの6点のパーツを接着して一体化し、エンジンフード、ドアは別に塗装することにした。ボディに後からインテリアを組み込む都合上、インテリアの一部のパーツを分割してボディの裏側に取り付けた。インテリアのフレームも同様。

エンジンはシボレーの6.5Lらしく、ディテールからして最終型のいすゞ製ではなさそうだ。従って、このモデルの年式は1994年~2005年と思われる。なお、エンジンのVバンクに余分なスペースがあるので、もしやここにターボ仕様のパーツがあったのでは、という疑問も残る。エンジンフードが前側に開いて可動するのに合わせて、フロントバンパーに付くブッシュガードは可動するが、作例では接着してしまった。そのためエンジンフードは上に外れるように変更。

シャシー/足周りはシャープなモールドで精密に再現、パーツ点数は一見多く感じるが、分割は最適に考慮されており、高度な3Dモデリング技術で設計されたことがわかる。非常に細いパーツもあり作業中に破損し易いので注意が必要だ。ステアリングは可動するが、作例では強度を優先して固定した。

インテリアも細部までリアルで、メーターパネルやエアアウトレットなど一体ではモールドしにくいところは、わざわざ別パーツに分割されている。これが功を奏して塗り分けが容易なのはありがたい。シートのモールドもレザー?の質感が良い雰囲気だ。作例のインテリアカラーは実はサーフェイサーそのもの。下塗りのつもりが中々良い質感だったので、サーフェイサーをもう一度塗った。メーター類はカルトグラフ製のデカールで再現される。

ボディカラーは2006年の純正色「FLAME RED PEARL」をイメージした。アクセルSの赤とマゼンタ、微量の黒で基本のダークレッドを調色。一色で塗るため、パールではなく粒子の粗いシルバーを少量混ぜた。ボディ表面のモールドの関係でクリアコート後の研出しは非常に難しい。ボディ塗装、クリアコートともにできるだけ塗膜を薄く、スムーズなツヤをキープする塗装が理想的である。

作例制作=畔蒜幸雄/フォト=服部佳洋 modelcars vol.275より再構成のうえ転載

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2022/02/15 12:00

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